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「手を使う」ことで、脳が働き、「強い性格」が育ちます。

「手」を使う必要性を強調したことは、モンテッソーリ教育の特徴のひとつです。子どもを研究するには「手の発達」および「平衡と歩行の発達」の二つを追っていく必要があるとも言っています。

トンカチ

ノコギリ、金槌、スコップ…手と腕を使う活動で自分の体を守る力を育てるのです。

現代の生活では、「ノコギリで板を切る」「金槌で打ち付ける」「スコップで土を掘り起こす」などの作業を日常生活の中で行うことはほとんどなくなってしまいました。大人が道具と場所を準備して、意図的にさせてやらない限り、生活の経験する事が出来ません。

幼児期には、腕と肩を思い通りに動かす経験をしない現代の子ども達は、転んでも手をついてかばう事ができず、転んで歯を折ったり、舌を噛んだり、顔面に怪我をする子がふえているそうです。ですから、幼児期には腕と肩を一緒に動かして道具を使う経験が必要です。 使う前にはその正しい使い方を「して見せる」ことが大切です。 特に金槌やノコギリなどは危険を伴いますので、十分に経験を積んでから与えましょう。

「読み、書き、計算」よりも、「折る、切る、貼る、縫う」ことの重要性

指先を自由自在に使えるようになる時期ですから、たくさんの経験をさせましょう。 子どもの知能は、手を使わなくてもある水準まで達するのですが、手を使う活動によってさらに高い水準に達し、自分の手を使う子どもはさらに強い性格を有します。

環境の事情によって子どもが手を使えない場合=性格が極めて低い水準にとどまり、従順ではいられず、積極的でなくなり、不精で陰気な性格になってしまいます。

自分の手で作業できた子どもは=明瞭な発達と性格のたくましさを示します。

幼児期に手を使うことが大事なのは、器用になって生きて行くうえで役立つからという理由ではありません。 随意筋を自分の意志通りに使えるようになっていくこの時期に、「折る、切る、貼る、縫う」のような手先の活動を身につける過程で、脳の様々な部位がフルに働くので、モンテッソーリが言っているような強い生活が育つのです。


モンテッソーリは「手と精神の関係」に幾重にも言及していますが、その根拠を語ることはできませんでした。彼女は大脳生理学に強い関心を抱いていましたが、当時の研究はまだ彼女が注目した「手と脳」の関係を明らかにしていなかったのです。 その後、21世紀になってから脳研究はすごい勢いで進歩してきました。

1960年代の終わりには「運動するときは、脳の運動野の神経細胞が働いて運動の指令を出す」ということがわかってきました。 1990年代の終わりには「繰り返し手の運動をすると、脳の運動野が働く」、さらに「運動野だけでなく、もっと広い範囲の脳領域が働く」ということが新たに発見されたのだそうです。

子どもが教えてもらったやり方を、思い起こしながら、順序を踏んで、手で実行する、という活動をしているとき、前頭前野のワーキング・メモリが働いているのは確かなようです。

前頭前野は、計画力段取り能力判断力創造力を生み出す部位だというのですが、幼児期にモンテッソーリ教育を受けた子どもたちが小学生以降に現してくる特徴は、まさにそのような力です。

 

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p_takaya デザイナー&モンテッソーリポータル「バンビーノ」編集長/池角貴也   広告デザイン会社、OL向け雑誌編集部、音楽雑誌編集部、WEB制作会社、映像制作会社勤務を経て、株式会社フラグメント(ホームページ制作会社)代表。
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