カテゴリ / コラム モンテッソーリから学ぶ子育て
一覧

集中したその後にその子の本当の善さが現れてきます。

origami子供が「手」を使いながら何度も繰り返し行い、 深く集中している姿に出会ったらそっと見守りましょう。(しかし、ゲームは親指だけを単純に反射的に押すだけなので、随意筋肉運動の調整期に必要な運動の要素が欠けています。)

手を使いながら集中するとは、どんな姿なのでしょうか?
下記3つの事例(相良敦子(2007).親子が輝くモンテッソーリのメッセージ内事例)をご覧ください。


 5歳児のT君は、赤ちゃんの時から片時もじっとしていない子供でした。
短気で、気に入らないことがあると、すねたり怒鳴ったり、強い口調で当り散らしたりします。友達の作業に口出しばかりし、自分からなにかを選んでも、集中する姿はみられませんでした。

T君はある日、折り紙を始め。2時間近く折り続けました
手元にあったお手本長を全部やり終えると、さらに分厚い本を出してきて、脇目もふらずに折り続けました。次の日もまた次の日もT君は折り続け、お母さんにあげるため家に持ち帰っていました。
突然の山のような折り紙にお母さんは困惑しましたが、先生は「驚くほど集中していますから」とお母さんに説明し、見守ってもらうことにしました。1日2時間ほどの折り紙を、4日間続けた後、T君は先生に「ああ、スッキリした。楽しかった」と言いました。

作業に集中するとことによって落ち着きを取り戻し、やる気に満ちた子どもに育つのです。

 4歳児のS君は、行動が乱暴で、突然、友達を蹴ったり叩いたりします。
時には食事を投げつけたりします。
思いもよらない行動をするので、先生たちは毎日目が離せない日々でした。

そのS君がある日、友だちが「注ぐ」活動をしているのを、じっくり見入っていました。
ピッチャーに入ってる水をコップに注ぐ活動です。
コップは3つあってそれぞれに色線が付けられていて、その線ピッタリに水を注ぐ活動です。
線のところまでぴったり水をいれるたびに喜んで、「先生、できたあ、ほら!」と呼びかけました。
今までに見たこともない満ち足りた明るい笑顔でした。

その後、S君は変わりました。
自分で世界を大きく広げ、様々な活動にじっくり取り組むようになりました。色々な事によく気づくようになり、喜んで先生のお手伝いをするようになりました。

 3歳で入園してきたK君は、自分の身の回りの事がなかなかできず、「できない」「疲れる」といっては身体をふらつかせ、近くにいた友だちにぶつかったりしていました。決して自分からやろうとはしない子でした。

そこでK君の前で、できるだけわかりやすく、ゆっくり、はっきり、「して見せる」方法で、服の脱ぎ方やボタンのかけ方をやってみました。
最初は「わからない」「できない」を繰り返していましたが、辛抱強く毎日繰り返しているうちに、少しづつ先生のやる事を見ていられれるようになりました。
そしてある日、「ぼくがやってみる」と自らやりだしました。
四苦八苦しながらも、服を脱ぎ、ボタンをかけ、きれいにたたみ終わるまで、一生懸命やり遂げました。終わると、目をまん丸にしてなんとも言えない笑顔で「できたー」と叫びました。

その後、K君は「のり貼り」に取り組み、少しづつ行動が落ち着いてきました。
自分が自信をもってできることは、できない子に教えたり、手伝ったりするようになりました。

どんなに落ち着きがなく乱暴な子でも、やる気のない子でも、作業に集中することによって、落ち着きを取り戻し、やる気に満ちた良い子に変わっていくことができるのです。
その事実に共通していることは、自分が興味もった活動の「やり方がわかる」と、目も手も頭も総動員して全力を傾けてやり始めること、そうしながら「集中する」こと、そして「できたぁ!」という自信や「スッキリした。楽しかった」という完了感、充実感を持って、自分で終わることです。

一連のステップを踏みしめて活動した後に、子どもが内面から良い状態へと変わる事実は単なる「遊び」ではありません。
子どもは自分自身を成長させる立派な「仕事」を成し遂げたのです。

子どもが目と手と知性を働かせて同じ活動を繰り返しながら深く集中した後は、安定し穏やかになり自尊感情が生じます。

「手」を使って繰り返し同じことを行った後に充実感や快感を味わい安定するという事実を、脳内の神経伝達物質の放出とか、神経繊維の新しい回路という視点から、それが効果的整理現象なのだと神経科学が説明しています。

つまり、モンテッソーリ教育の中核現象である「集中現象」が現代の脳科学によって説明され得る時代なのです。

相良敦子(2007).親子が輝くモンテッソーリのメッセージ 子育ち・子育てのカギ 河出書房新社

posted with amazlet at 15.01.17
相良 敦子
河出書房新社 
Amazon.co.jpで詳細を見る
p_takaya デザイナー&モンテッソーリポータル「バンビーノ」編集長/池角貴也   広告デザイン会社、OL向け雑誌編集部、音楽雑誌編集部、WEB制作会社、映像制作会社勤務を経て、株式会社フラグメント(ホームページ制作会社)代表。
RECENT ENTRY 一覧

2017.12.21カテゴリ / GOODS

ウォールクロック [fun pun clock/ ふんぷんくろっく]が2017年度グッドデザイン賞受賞!

2017.10.01カテゴリ / コラム これってそういうことなんだ

水をさわりたくて仕方がない!!

2017.09.19カテゴリ / コラム これってそういうことなんだ

町の看板をかたっぱしから読みまくる!

2017.09.17カテゴリ / コラム これってそういうことなんだ

通りすがりのブロック塀を歩かずにはいられない!

2017.09.15カテゴリ / BOOKS

月刊クーヨン2017年10月号 提案!「ゆっくり」親になりましょう

2017.08.03カテゴリ / GOODS

プログラミング玩具「プリモトイズ キュベット」の夏の実演販売