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どのようにして子どもの好き嫌いを減らしていったか?モンテッソーリ園での取り組み

モンテッソーリ流 好き嫌いをなくす方法

Cくんは入園当時(年少さん)、食べられるもののほうが少ないんじゃないかというくらい、好き嫌いが激しいお子さんでした。苦い野菜はもちろんダメ、食べたことがないものは最初から拒否、給食の時間はいつも先生が誰かしらCくんの隣についていました。

でもそんなCくん、小学1年生の今、普通に給食が食べられるようになっています。

この3年間でCくんがどのように好き嫌いを減らしていったか、モンテッソーリ園での取り組みをご紹介します。

1. 子どもが自分で盛りつける、もしくは年長児に盛ってもらい、量を調節する。

大人が「これだけ食べてほしい」という量を盛るのではなく、量を子どもが決めていい(あまりに少なかったらせめて一口ぶんにはしますが、笑)。
たったこれだけのことで「自分で決めたから頑張って食べる!」という気持ちが出てくるようです。

ただし、苦手なものを減らしたら、好きなものも少し減らすことで、最初に食べる全体量のバランスをとっていました。例えば嫌いなサラダを減らしたら、他のご飯やメインのおかずも少なめにという風に。
これは、好きなものから食べて最後に苦手なものを食べる、というパターンが圧倒的に多く、好きなものだけでおなかがいっぱいになってしまわないように、苦手なものもおなかに入るように、という配慮です。
そのかわり、

2. 全部食べられたら、好きなものをおかわりできる

これが子どもにとってはまた「頑張る原動力」になっていたようです。
実際、子ども自身が「おかわりしたいから、〇〇(嫌いなもの)も頑張って食べる!」と宣言することも多々ありました。
この方法で
「苦手なものも(ほんの少しだけど)食べられた!」という自信
「好きなものをおかわりできた!」という食に対する喜びが両立できました。

このやり方だと、苦手なものは一口、好きなものはたくさん、というアンバランスが生じてしまうのは確かです。なので「苦手だけど食べられるようになった」頃合いを見計らって、苦手なものも好きなものと同じ量だけ盛るように変えていきます。

苦手なものでも、大人が食べてほしいと思う量(子どもが食べられる量ではない)をはじめから盛りつけ、長い時間かけて食べさせようとする園はまだまだあるんだな…というのが私個人の感想ですが、こうやって無理強いしすぎると「食事自体が楽しくない、苦痛な時間」という印象のほうが強く残ってしまいます。(吸収する時期)

かといって好きなものだけ食べていては当然栄養が偏り、嫌いなもの、苦手なものはいつまでたっても食べられない。

この間をとった、子どもの気持ちに寄り添いながら、スモールステップで食べられるものを少しずつ増やしていく方法だったなと感じます。

3. 食べられないときは、気持ちに寄り添いながら手伝う

食べられない子どもをひとりで放っておいても、いつまでも食べられません。みんながご飯を終えて遊んでいる中で一人取り残されるのは、子どもにとって気持ちのいい体験では決してありません。
そういう子どもには必ず先生が寄り添っていました。~その役目は園長先生であることが多かったのですが~「Cくんは食べられるよ、大丈夫だよ」と励まし続ける声がよく聞こえてきました。「こんなちょっとなのに、食べられないでどうするの!」などと責めたり怒ったりという声が聞こえてきたことはありません。
逆にちょっとでも食べられた時には、その頑張りを心からねぎらい、「Cくんが食べられて先生もうれしい!」ということを伝えていました。

すべては子ども自身が食事を負担に思わないように、少しでも喜びが増えるようにという配慮だったのだと思います。園長先生のその姿勢は、今私が子どもと接するうえで大きく影響しています。

とは言え、どうしても食べられなくておかわりできなかったときもあります。つまり昼食の全体量が少なくなってしまうのですが、そんなときは

4. お菓子ではなく、おにぎりやお芋、サンドイッチなどをおやつにしてもらい、1日のトータルで接種バランスをとる。

お菓子でおなかを満たさず、食事のようなおやつで栄養をとる。
食事のようなおやつで夕飯が入らないときは、おかずだけ食べる。

小さい子どもは1回に食べられる量が少ないので、1日3食という配分にこだわらず、3食分の量・栄養バランスをさらに何食かに分けるというやり方のほうがうまくいくことがあります。1日のトータルで、必要な量・栄養が摂れればいいのです。

このおやつ~夕飯の部分は、ご家庭に提案し、ご協力いただきました。
お子さんが食べないことで悩んでいたお母さんも、「あぁ、そういうやり方でもいいんだ」とホッとしていたのが印象的です。大人の気持ちにも寄り添える方法でした。

このような取り組みを経て、Cくんは学校給食を普通に食べられるようになりました。Cくんだけでなく、毎年必ずいる好き嫌いの激しいお子さんはたいてい、この方法で好き嫌いが少しずつ改善されていきました。

子どもを観察して現状を把握し、子どもの気持ちに寄り添いながら、スモールステップで「できた!」を応援する。
これはモンテッソーリのお仕事の時間だけでなく、食事をはじめとする生活全般に共通して必要な大人の在り方だな、ということを学ばせてもらった次第です。

p_okubo ライター/コマツヒロコ   AMI公認国際モンテッソーリ教師(2歳半~6歳+)、保育士。
東京国際モンテッソーリ教師養成センター卒業後、さいたま市にあるモンテッソーリあかねこどものいえに4年勤務。現在は横浜市の保育園に勤務中。
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