カテゴリ / コラム ようこそわが家へ~モンテッソーリ×里親活動の記録~

<第19話> 泣く理由が180°変わった3回目のお泊まり 愛着関係の移り変わり

画像はイメージです。

 

3回目のお泊まりは、3泊4日。
1日増えて、どうなることやら…

と思いきや、2回目に引き続き
Aちゃんはリラックスして楽しそう。

甘えは続いていて
相変わらず食事は毎回私のおひざの上(笑)

 

でも抱っこ抱っこはこの時点でだいぶ減りました
眠りにつくときは
抱っこ→バギーに乗ってお散歩しながら
に変わりました。

 

「帰る」とぐずる声も、そういえば聞こえません。
たまに
「おかーかんバイバーイ。
 Aちゃんひとりでいっちゃうよ~」
なんてことも言ったりして、よく笑います。

 

だいぶおうちの生活に慣れてきたかな?
楽しいと思ってもらえてるかな?

と、感じながら、最後の日にAちゃんを乳児院に送り届けました。

そうしたら。

 

Aちゃんが、私から離れないのです。

 

お部屋の職員さんがお迎えに来て
抱っこしようと手を伸ばしても
それまでだったらすぐそっちに行ったのに
この日は私にベッタリで、
1㎜も動こうとしませんでした。

「あらまぁ、Aちゃん、
 お母さんがいいんだねぇ」
「いい傾向ですね~(嬉)」

などと大人同士でお話しつつ、
「ごめんねAちゃん、今日は帰ろうね」
と言いながら
Aちゃんを私から引きはがすと、

 

おいおい泣き始めてしまいました。

 

最初のお泊まりの日、
「帰る」とおいおい泣いたときと
全く同じ泣き方で
今度は「帰らない」と泣いたのです。

 

…これは…ものすごい進歩…

 

嬉しいぞ!!!!!!

 

泣いててかわいそうだけど。
今すぐでも連れて帰ってあげたいけど。
あとちょっとなんだAちゃん…
ごめんAちゃん…
もうちょっとだから待ってて…
(私も少し涙目)

 

そのあと、里親担当の職員さんと
ロビーで面談をしているときも
Aちゃんはお部屋のドアをガンガン叩いて
「開けて!!!」と泣きわめいていたそうです。

ごめん、お母さん声大きかったわ。
丸聞こえだったわ。
職員さんにもご迷惑おかけしました。

 

だって…「帰る」からの「帰らない」ですよ?
その180°変貌ぶりが、嬉しくて嬉しくて。

それを職員さんと分かち合って
「ついに来ましたねこの日が」
「もういよいよ長期外泊行けそうですね」
「お父さんお母さんの心の準備は
 大丈夫そうですか?」
なんて会話ができる日が、
こんな急に来るなんて
そりゃ声も大きくなるし、
話も長くなりますって。

 

よかった~。
こんな喜びが待ってるなんて、
無我夢中でやっててよかった~。
寝不足だし身体も疲れてるけど、
でもやっぱりここまでやってきてよかった~。

 

あともう1回、
規定の3泊4日のお泊まりをして
(もどかしい笑)

そこからもう一度乳児院に帰って、
担当さんからお引越しのお話をして、
お荷物をまとめて
来月からいよいよ
我が家での長期外泊(無期限)がスタートです。


<第1話> 里親になろう、そう思ってから実際に動き始めるまで
<第2話> いざ、里親研修へ 心に残る愛着障害の話
<第3話> ドキドキの児童養護施設実習 の中で思い出される発達の4段階
<第4話> このモヤモヤは何?…里親家族のロールモデルを求めて
<第5話> 里親登録後の実習の方が長いゾ! 乳児院の子どもたちとの出会い
<第6話> 乳児院の子どもたちを通して見えてきた実親さんの背景と、里親側の気持ちの変化
<第7話> いざ養育委託の話が来たら、ただただ嬉しいだけだったという話
<第8話> はじめまして、里子ちゃん 戸惑いと反発と喜びとが交錯する初対面 
<第9話> 里子ちゃんの気持ちをぜんぶ言葉にすることで進んだ交流 
<第10話> 私の持ち物を通して交流が進んだ話 
<第11話> 初めてのおうち体験 魅力的なのはおもちゃじゃなかった 日常生活との出会い
<第12話> 一般家庭は危険がいっぱい 安全確保とモンテッソーリの考え方とのせめぎ合い 
<第13話> おうちは楽しい だけじゃない。不安と緊張で戸惑うことも 
<第14話> まだおうちに来てもいないのに幼稚園選び? 慌ただしくもなんだか楽しい
<第15話> 初めてのお泊まりで、初めて大泣きした夜のこと
<第16話> 甘え全開で嬉しいけど身体が(涙) でもとても大事な「甘え」の意味
<第17話> 今は何が最優先? 難しすぎる育児と家事のバランスゲーム
<第18話> 2回目のお泊まり お迎え時に聞いた初めての言葉
<第19話> 泣く理由が180°変わった3回目のお泊まり 愛着関係の移り変わり
<第20話> お客さんへの反応で垣間見えた、Aちゃんにとってのおうちの意味
<第21話> 交流最後の振り返り Aちゃんをおうちに迎え入れるためのミーティング(第1シーズン最終回)

国際モンテッソーリ教師、保育士/シロクマ   
30歳過ぎてからモンテッソーリに出会い、その考え方に惚れこむあまり国際資格を取る。その後、モンテッソーリ教師・保育士としてこどものいえや保育園で約10年働く。途中、結婚して子どもに恵まれなかったことがきっかけで里親制度に興味を持ち、里親として子どもの養育に関わりたいと思い、今に至る。現在2歳半の里子ちゃんの長期養育を目指して交流中。子どものためのモンテッソーリ、子どものための里親制度がより多くの人に知ってもらえたらという思いで執筆中。

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