赤ちゃんが生まれたら、お姉ちゃんを先に抱っこしてもいい? 上の子の心の守り方

赤ちゃんを抱っこしていると、お姉ちゃんも「ママ、抱っこ」。さっきまで自分で歩いていたのに、赤ちゃんのお世話を始めた途端、両手を伸ばしてくる。「赤ちゃんがいるから待ってね」と言いながら、上の子の顔が気になってしまうことはありませんか。
赤ちゃんが安全な場所で落ち着いていて、ママの身体に無理がなければ、お姉ちゃんを先に抱っこしても構いません。ただ、毎回どちらを先にするかを決めておく必要もありません。ふたりの様子を見ながら、そのときに必要な関わりを考えていきましょう。
AMI(国際モンテッソーリ協会)の公開記事「Attunement and Montessori」で、0〜3歳の教師養成トレーナー、Cristel Ruizさんは、子どもの表情やしぐさを観察し、その子の気持ちや必要に応える関わりについて述べています。この視点を手がかりに、赤ちゃんを迎える上の子との過ごし方を考えてみます。
お姉ちゃんになった日も、まだ小さな子ども
赤ちゃんと並ぶと、上の子は急に大きく見えます。自分で食べられるし、話もできる。だからこそ、大人はつい「もうお姉ちゃんなんだから」と言いたくなるのかもしれません。でも、昨日まで3歳だった子が、妹や弟の生まれた日に、急に我慢の得意な子になるわけではありません。
赤ちゃんが生まれたあと、前より甘えが増えたり、できていたことにも手を貸してほしがったりすることがあります。米国小児科学会の保護者向け記事でも、こうした「赤ちゃん返り」に触れ、年齢相応に振る舞うよう求めるばかりでなく、上の子にも関心を向けることを勧めています。
「自分でできるでしょ」と答える前に、少しだけ様子を見てみましょう。疲れているのかもしれないし、ママにそばにいてほしいのかもしれません。「今日は一緒にやろうか」と応じられる日があってもいいのです。
上の子の暮らしは、妊娠中から変わっています
つわりで横になっている時間が増える。いつものように抱き上げられない。健診や出産のために、ママが家を空ける。赤ちゃんに会う前から、上の子の毎日には変化が起きています。
そんなときは、「お腹に赤ちゃんがいるから」とだけ説明するより、今どうなっていて、何なら一緒にできるかを短い言葉で伝えてみてください。
「ママ、今は気持ちが悪いから横になるね。ここで一緒に絵本を見ようか」
もし「私のせい?」と気にしている様子があれば、「あなたのせいではないよ」と、はっきり伝えましょう。
出産の入院についても、「その間は誰と過ごすのか」「誰がお迎えに来るのか」など、決まっていることを具体的に話しておくとよいでしょう。「赤ちゃんが来るの、楽しみだね」という話に加えて、上の子自身の生活についても伝えておきたいところです。入院前に上の子へ説明しておくことは、米国小児科学会も勧めています。
「あとで」の続きを、大人からつくる
授乳中やおむつ替えの途中など、上の子の求めにすぐ応じられない場面はあります。赤ちゃんに必要なお世話をしながら、上の子にも言葉を返してみましょう。
「抱っこしてほしいんだね。おむつを替えたら、ここに座ってぎゅっとしよう」
そして手が空いたら、もう一度せがまれるのを待たずに、「さっき抱っこしたかったね」と、こちらから声をかけてみてください。
特別なお出かけを用意しなくても、上の子が選んだ絵本を読む、今日つくったものを一緒に見る、といった時間をつくることはできます。途中でまた赤ちゃんのお世話が必要になったら、「続き、見せてね」と伝え、戻れるときに戻りましょう。毎回うまくできることを目指さなくても大丈夫です。
産後、抱き上げるのがつらい日は、隣に座って身体を寄せたり、手をつないだりする形でも。パパや身近な大人に赤ちゃんのお世話をお願いし、ママと上の子が過ごせる時間をつくることもできます。ママがひとりで、ふたりの要求を同時に満たそうとしなくてよいのです。
赤ちゃんのお世話は、参加したいときに
上の子が赤ちゃんのお世話に興味を持ったら、「このタオル、一緒に持っていく?」と誘ってみるのもよいでしょう。タオルを運ぶ、着替えを選ぶなど、無理なくできることを一緒にしてみます。
けれど、「お姉ちゃんなんだから手伝って」と役割にする必要はありません。今日はやりたくない。自分のおもちゃで遊んでいたい。それも、その子の気持ちです。お手伝いができたときだけでなく、その子が描いた絵や、夢中になっている遊びにも、変わらず目を向けていたいですね。
赤ちゃんをかわいがる日もあれば、「ママを取られた」と感じる日もあるかもしれません。すぐに理想のお姉ちゃんになることを求めず、上の子自身と過ごす時間を重ねていきましょう。赤ちゃんが落ち着いていて、こちらにも余裕ができたら、名前を呼んで。
「さっき抱っこって言っていたね。いま、ここにおいで」
参考資料
- Association Montessori Internationale:Cristel Ruiz「Attunement and Montessori」
- American Academy of Pediatrics/HealthyChildren.org:「Preparing Your Older Child for a New Baby: How to Help Siblings Adjust」
赤ちゃんが過ごすモンテッソーリの環境を実際に見ながら、運動、食事、睡眠、ことばなど、この時期の発達と家庭での関わり方を学ぶ全3回のクラスです。
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