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子どもの覚醒を少しずつ下げる – 寝る前の1時間にできること

「夜になっても、なかなか寝てくれない」
「眠そうだったのに、急に走り回り始めた」
「やっと寝たと思ったら、夜中に泣いて起きてしまう」

子どもの睡眠について、このような悩みを抱えているご家庭は少なくありません。

日中によく動くことは、子どもの健やかな発達と睡眠のために大切です。しかし、たくさん動けば必ずすぐ眠るとは限りません。疲れすぎた子どもが、かえって興奮してしまうこともあります。

大切なのは、昼間の活動量だけではなく、眠るまでの時間をどのように過ごすかです。

子どもを急に寝かせようとするのではなく、寝る前の1時間を使って、身体と心の覚醒を少しずつ下げていきます。

眠いのに、なぜ元気になるのでしょう

眠る直前になると走り回る、笑い声が大きくなる、何度も同じことをする、急に機嫌が悪くなる――。

大人から見ると、「まだ眠くないのかな」と感じる姿です。

けれども、これは必ずしも元気が余っているからとは限りません。眠気や疲れを自分でうまく調整できず、かえって興奮が強くなっている可能性もあります。

特に幼い子どもは、遊びから食事、食事から入浴、入浴から睡眠へと、気持ちを瞬時に切り替えることができません。

明るい部屋で楽しく遊んでいた子どもに、突然「もう寝る時間です」と伝えても、身体の動きや気持ちはすぐには止まらないのです。

睡眠は、命令して起こせるものではありません

モンテッソーリ教育では、大人が子どもを直接変えようとするのではなく、子どもが自分で行動しやすい環境を整えることを大切にします。

睡眠についても同じです。

大人が「早く寝なさい」と命令して、子どもを眠らせることはできません。しかし、眠りに向かいやすい環境と流れを用意することはできます。

AMIの関連団体であるAid to Lifeは、就寝時刻に近づくにつれて活動を少しずつ静かなものへ変えていくこと、そして毎日できるだけ同じ流れを繰り返すことを勧めています。

子どもにとって、繰り返される順序は「次に何が起こるのか」を知らせる手がかりになります。

眠る時刻だけでなく、眠るまでの道筋を整えるのです。

寝る前の1時間にできること

次の流れは一つの例です。すべてを時計どおりに行う必要はありません。家庭の生活や子どもの様子に合わせて調整してください。

就寝の約60分前――刺激の強い活動を終える

まず、身体と頭を強く興奮させる活動を少しずつ終わらせます。

動画やゲームなどの画面、激しい追いかけっこ、大きな音の出る遊びは、この時間までに区切ります。

「もう終わり!」と突然取り上げると、子どもは遊びを中断されたことに強く反応する場合があります。

「これが終わったら、お風呂に行こう」
「あと一回したら、おしまいにしようね」

そのように、次の行動を短い言葉で先に知らせます。

言葉だけでは切り替えにくい子には、毎日同じ音楽を流す、カーテンを閉める、照明を一段暗くするなど、環境の変化を合図にしてもよいでしょう。

就寝の約45分前――身体を清潔にする

入浴、歯磨き、着替えなどを行います。

この時間は、楽しい水遊びの時間というより、眠るための支度へ移っていく時間です。入浴で興奮しやすい子の場合は、入浴時刻をもう少し早めてもよいかもしれません。

寝間着を自分で選ぶ、脱いだ服をかごに入れる、タオルを所定の場所へ運ぶなど、子どもができる小さな仕事を残しておくことも大切です。

大人に一方的に寝かされるのではなく、子ども自身が眠る準備に参加できます。

ただし、この時間にたくさんの選択肢を示す必要はありません。

「どのパジャマにする?」と尋ねるなら、二つほどに絞ります。選択肢が多すぎると、かえって覚醒が上がってしまう子もいます。

就寝の約30分前――部屋全体を静かにする

照明を少し暗くし、テレビや大きな音を消します。大人の声も、普段より少しゆっくり、小さくします。

「子どもだけを寝かせよう」とするよりも、家の中全体が夜の雰囲気へ移っていく方が、子どもには伝わりやすくなります。

この時間に向いているのは、絵本を見る、静かな歌を聞く、布団を整える、ぬいぐるみを寝かせるといった、終わりのある穏やかな活動です。

ここで新しいおもちゃを出したり、何冊もの絵本から長く選ばせたりすると、再び遊びが始まることがあります。寝る前に読む本を数冊に決めておくのも一つの方法です。

就寝の約15分前――毎日同じ結び方をする

最後は、できるだけ短く、毎日同じ順序で終えます。

たとえば、次のような流れです。

  • 歯を磨く
  • 寝室へ行く
  • 絵本を一冊読む
  • 水を一口飲む
  • 電気を消す
  • 「おやすみなさい」と伝える

長い儀式にする必要はありません。大切なのは、豪華な内容ではなく、子どもにとって予測できることです。

途中で子どもが別のことを求めても、大人は怒らず、交渉を繰り返さず、「今日はおしまい。次は眠る時間です」と穏やかに同じ流れへ戻します。

子どもが泣いたときも、置き去りにして我慢させなければならないわけではありません。そばにいる、背中に触れる、短い言葉で安心を伝えるなど、必要な助けをしながら眠りへ向かうことができます。

毎日、完全に同じでなくても大丈夫です

生活には予定のずれる日もあります。子どもがすぐに眠れない夜もあります。

一日うまくいかなかったからといって、ルーティーンが失敗したわけではありません。

目指すのは、決めた時刻に必ず眠らせることではなく、子どもが少しずつ覚醒を下げられる条件を整えることです。

眠らない子どもを何度も叱ったり、大人が焦って次々と方法を変えたりすると、寝る時間そのものが緊張の時間になってしまいます。

まずは一週間ほど、同じ順序を繰り返してみます。そのうえで、次のようなことを簡単に記録すると、その子なりの傾向が見えてくることがあります。

  • 昼寝をした時刻と長さ
  • 夕方以降の活動
  • 画面を見た時間
  • 布団に入った時刻
  • 眠りについた時刻
  • 夜中に目を覚ました回数

日中の運動も、もちろん大切です

歩く、走る、登る、運ぶといった全身を使う活動は、子どもの身体の発達だけでなく、生活のリズムを整えるうえでも大切です。

WHOは、1~2歳の子どもについて、一日の中で合計180分以上、さまざまな強さの身体活動を行うことを推奨しています。

ただし、「眠らないのは運動が足りないから」と一つの原因だけで考えることには注意が必要です。

睡眠には、昼寝の長さ、生活時刻、光、音、体調、発達上の特性、不安、環境の変化など、さまざまな要素が関係します。

日中は十分に身体を使い、夕方からは少しずつ活動を穏やかにする。その両方を一つのリズムとして考えることが大切です。

夜中に何度も起きるときは

幼い子どもが夜中に目を覚ますこと自体は、珍しいことではありません。

しかし、激しく泣いて目を覚ますことが頻繁に続く、長時間眠れない、強いいびきがある、呼吸が止まるように見える、日中の生活にも大きな影響が出ている場合は、生活習慣だけの問題と決めつけないことが大切です。

睡眠の記録を持って、かかりつけの小児科医などに相談してください。

また、子どもの睡眠によって保護者が慢性的な寝不足になっている場合も、家族だけで抱え込む必要はありません。子どもの睡眠と同じように、養育する大人の休息も守られる必要があります。

眠りに向かう環境を用意する

子どもは、眠ることを命令によって覚えるのではありません。

明るさが変わり、音が小さくなり、身体を清潔にし、いつもの絵本を読み、いつもの言葉を聞く。その繰り返しの中で、身体が少しずつ「一日が終わる」ことを覚えていきます。

すぐに眠らない日があっても大丈夫です。

大人ができるのは、眠りを強制することではなく、子どもが安心して覚醒を手放していける時間と環境を用意することです。

寝る前の1時間を、子どもを寝かしつけるための闘いではなく、一日の活動を静かに閉じていく時間として捉えてみてはいかがでしょうか。

参考資料

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