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うつ伏せ遊びは何分すればいい? – 赤ちゃんが自分で動き始めるために

赤ちゃんをうつ伏せにすると、すぐに顔を伏せて泣き始める。

「うつ伏せ遊びが大切」と聞いたけれど、嫌がっているのに続けていいのか、毎日何分くらいさせればいいのか、迷うことはありませんか。

最近は「タミータイム」という言葉もよく聞かれるようになりました。けれども、何分できたかを毎日記録し、時間を達成するための訓練になってしまうと、目の前の赤ちゃんの姿が見えにくくなります。

この記事では、AMI(国際モンテッソーリ協会)が保護者のために公開している子育て支援サイト「Aid to Life」の内容を手がかりに、うつ伏せ遊びの意味と、家庭での無理のない始め方を考えます。

Aid to Lifeは、モンテッソーリの考え方をもとに、乳幼児の「動き・運動」「コミュニケーション」「自立」「自己規律」について、家庭でできる具体的な援助を紹介しているサイトです。今回は、その中の「運動マット」と「動きに関する10のヒント」を取り上げます。

最初に知っておきたいこと――うつ伏せ遊びとうつぶせ寝は違います

うつ伏せ遊びは、赤ちゃんが起きていて、大人がそばで見守っているときに行います。眠るときの姿勢ではありません。

米国小児科学会は、「眠るときは仰向け、遊ぶときはうつ伏せ」と説明しています。昼寝を含め、眠るときは赤ちゃんを仰向けに寝かせることが基本です。うつ伏せ遊びの途中で眠ってしまった場合も、安全な寝床へ仰向けにして移します。

「うつ伏せで遊ぶことが発達によい」という話と、「うつ伏せのまま眠らせること」は、はっきり分けて考える必要があります。

うつ伏せになると、赤ちゃんは何をしているの?

仰向けに寝ているときと、うつ伏せになったときでは、赤ちゃんにかかる重力の方向が変わります。

うつ伏せになった赤ちゃんは、顔を横へ向けたり、頭を持ち上げようとしたり、腕で床を押したりします。首、肩、背中、腕などを使いながら、少しずつ上半身を支える方法を見つけていきます。

こうした経験は、頭を支える、手を伸ばす、寝返りをする、ずりばいをするといった、その後の動きにもつながります。

Aid to Lifeでは、運動マットの上で腹ばいになることによって、赤ちゃんが腕で上半身を押し上げながら、上半身を強くしていくと説明しています。

大人が赤ちゃんの身体を動かして運動させるのではありません。赤ちゃん自身が床を押し、頭を動かし、自分の身体を使ってみる時間なのです。

結局、うつ伏せ遊びは何分すればいい?

Aid to Lifeの日本語ページ「運動マット」には、こうした動きの時間を「毎日少なくとも1回につき10分、あるいは赤ちゃんがもういいと表現するまで」見守るという記述があります。

一方、米国小児科学会は、退院後の早い時期から、まずは1回3〜5分程度を1日2〜3回行い、赤ちゃんが成長して力がついてきたら、少しずつ時間を増やす方法を紹介しています。生後7週ごろまでに、1日合計15〜30分程度を目指すという目安です。

また、WHO(世界保健機関)は、まだ自分で移動しない1歳未満の赤ちゃんについて、起きている時間に、1日合計30分以上のうつ伏せ遊びを何回かに分けて行うことを推奨しています。

ここで大切なのは、30分間続けてうつ伏せにするという意味ではないことです。生まれたばかりの赤ちゃんに、最初から10分間を我慢させる必要もありません。

赤ちゃんの月齢や体調、慣れ方によって、できる時間は異なります。最初は数十秒や1〜2分でもかまいません。短い時間を1日の中で何回か重ね、赤ちゃんの様子を見ながら少しずつ延ばしていきます。

「10分できなかった」「今日は30分に届かなかった」と考えるよりも、昨日より少し長く頭を上げていた、腕で床を押そうとしていた、顔を反対側へ向けられた、という赤ちゃん自身の変化を見てみましょう。

嫌がったら、すぐにやめたほうがいい?

うつ伏せの姿勢は、赤ちゃんにとって仰向けとは違う力を使う姿勢です。慣れないうちは、頭が重く感じられたり、思うように顔を上げられなかったりして、不満そうな声を出すことがあります。

Aid to Lifeでは、赤ちゃんをすぐに抱き上げたり、仰向けに戻したりする前に、自分で少し努力する時間を与えることを勧めています。ただし、これは、泣いている赤ちゃんを決められた時間まで我慢させるという意味ではありません。

少し声を出しながらも頭を動かそうとしているのか、もう疲れて身体を支えられなくなっているのか。顔を見て、呼吸や身体の動き、声の変化を観察します。

強く泣き続ける、顔を床に伏せたまま動けない、呼吸や顔色に変化があるなど、苦しそうな様子があればすぐに終了します。

「泣いたらすぐに失敗」「10分できるまで続ける」という二択にしないことが大切です。少し試して、今日はここまでにする。また別の機嫌のよい時間に試す。それで十分です。

うつ伏せを嫌がるときは、どんなふうに始める?

最初から床の上で長く行う必要はありません。大人が少し身体を倒し、胸の上に赤ちゃんをうつ伏せにして、顔を見ながら始める方法もあります。赤ちゃんは聞き慣れた声や大人の顔に興味を持ち、頭を上げようとすることがあります。

床で行う場合は、眠いときや空腹で泣いているときではなく、目が覚めて機嫌のよい時間を選びます。おむつ替えのあとや、昼寝から目覚めたあとなど、生活の中の決まった場面に短く取り入れると続けやすくなります。

授乳や食事の直後は、吐き戻しにつながることがあるため避けましょう。赤ちゃんの体調がよく、落ち着いて起きている時間に行います。

大人も床に腹ばいになって、赤ちゃんと同じ高さから話しかけてみてください。玩具で気をそらして時間を延ばすことよりも、「ここにいるよ」と顔を見せ、安心して身体を動かせるようにすることが先です。

特別なタミータイム用玩具は必要ありません

Aid to Lifeが勧めているのは、赤ちゃんが自由に動ける、薄手の運動マットです。柔らかく身体が沈み込む場所よりも、手や足で押した力が返ってくる、平らで安定した床面が適しています。

マットは、派手な色や模様で埋め尽くされたものではなく、その上に置かれた物や大人の顔を赤ちゃんが見つけやすい、落ち着いた色のものが勧められています。

モンテッソーリの乳児環境では、運動マットの横に、赤ちゃんの高さに合わせて鏡を設置することもあります。自分の動きが映ることで、顔を上げたり、身体を動かしたりするきっかけになります。

ただし、鏡を置く場合は、倒れたり割れたりしないように壁へ確実に固定する必要があります。赤ちゃんの動きを促す前に、安全な環境を用意することが大人の役割です。

見るのは時計ではなく、目の前の赤ちゃんです

うつ伏せ遊びは、長くできるほどよいものでも、早く頭を上げられるほど優れているものでもありません。何分できたかを確認するための訓練ではなく、赤ちゃんが自分の身体を使ってみる時間です。

頭を少し上げた。顔を反対側へ向けようとした。腕で床を押した。足を動かしたら、身体がわずかにずれた。そんな小さな動きの中で、赤ちゃんは自分の身体と世界との関係を学んでいます。

機嫌よく身体を動かしているなら、もう少し見守る。疲れてきたら、その日は終わりにする。大人が見るのは時計ではなく、目の前にいる赤ちゃんです。

うつ伏せ遊びは、大人が赤ちゃんを鍛える時間ではありません。赤ちゃんが自分から動きを発見できるように、安心して身体を動かせる場所と時間を用意すること。それが大人にできる援助です。

早産や低出生体重、呼吸、哺乳、筋緊張、発達などについて配慮が必要な場合や、うつ伏せにするといつも強く苦しそうにする場合は、一般的な時間の目安を優先せず、かかりつけの小児科医などに相談してください。

参考資料・出典

Association Montessori Internationale/Aid to Life
「運動マット」
Aid to Life公式ページを見る

Association Montessori Internationale/Aid to Life
「動きに関する10のヒント」
Aid to Life公式ページを見る

American Academy of Pediatrics/HealthyChildren.org
「Back to Sleep, Tummy to Play」
米国小児科学会の公式ページを見る

World Health Organization
「Guidelines on physical activity, sedentary behaviour and sleep for children under 5 years of age」
WHO公式ページを見る

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