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モンテッソーリについてよくある質問にお答えします。

Q.026

AI時代にもモンテッソーリ教育は必要ですか?


A

AIが身近になる時代だからこそ、幼児期に自分の手や身体を使って、実際の世界に触れる経験は大切だと考えています。
ただし、「AIは悪い、モンテッソーリは良い」という話ではありません。

AIがある時代に、なぜ実物に触れるのでしょう?

分からないことを聞けば、AIがすぐに答えてくれる。絵を描いたり、文章を作ったりすることまでAIが手伝ってくれる。そんな時代になりました。

一方、幼児期の子どもは、実際に物に触れ、動かし、比べ、失敗し、もう一度試すことで世界を理解していきます。

水を注ぐ。豆をスプーンで移す。重さを感じる。長さを比べる。形を触って確かめる。文字を指でなぞる。
モンテッソーリ教育では、こうした「実際に手を使う経験」をとても大切にしています。

研究レビューでも、手で操作できる具体物を使った学習、能動的な探索、自己選択、具体から抽象へ進むことなどが、モンテッソーリ教育を特徴づける重要な要素として整理されています。

「すぐ答えが出ない時間」にも意味があります

たとえば、子どもが水をこぼしたとします。
AIに「水をこぼしたらどうする?」と聞けば、一瞬で答えは出てくるでしょう。

でも、自分で水を注ぎ、「あ、こぼれた」と気づき、布を取りに行き、自分で拭く経験はまったく別のものです。
そこでは、身体を動かし、状況を見て、自分で次の行動を決めています。

UNESCOの生成AIに関する教育ガイダンスでも、AIによって、現実世界の観察や実験、人との対話、自分自身で考える機会を失わないことの重要性が示されています。

AIを遠ざければいい、という話でもありません

子どもたちは、これからAIのある社会で生きていきます。
ですから、大切なのは「AIを使うか、使わないか」だけではなく、AIを使う人間の側にどんな力を育てるかです。

UNICEFも、AIが子どもの主体性を支え、「何を考えるか」だけでなく「どう考えるか」を助けるものになることを重要な考え方として挙げています。

AIに全部任せるのではなく、自分で考える、自分で試す、必要なら人に聞く。その上でAIという新しい道具とも付き合っていくことが大切なのだと思います。

モンテッソーリ教育は「AIに負けない子」をつくる教育ではありません

自分で選ぶ。自分の手で確かめる。うまくいかなければやり直す。分からなければ考える。必要なら人に助けを求める。

こうした経験を十分に積んだうえで、成長とともにAIという新しい道具とも付き合っていく。
技術がどれだけ進歩しても、幼児期の子ども自身が世界と直接関わる時間は大切にしたい。

それが、AI時代にモンテッソーリ教育を考えるときの一つの答えではないでしょうか。

参考資料・出典

UNESCO「Guidance for generative AI in education and research」
https://www.unesco.org/en/articles/guidance-generative-ai-education-and-research

UNICEF「Child-centred AI」
https://www.unicef.org/digitalimpact/stories/child-centric-ai

Marshall, C. (2017). Montessori education: a review of the evidence base. npj Science of Learning.
https://www.nature.com/articles/s41539-017-0012-7

※幼児期のAI利用については、研究がまだ発展途上です。「モンテッソーリ教育を受ければAI時代に強くなる」という効果が研究で確認されているわけではありません。


モンテッソーリ式 すなもじ あいうえお (モンテッソーリ式 すなもじシリーズ)
出版社 ‏ : ‎ 朝日新聞出版 (2023/8/7)
発売日 ‏ : ‎ 2023/8/7
言語 ‏ : ‎ 日本語
単行本 ‏ : ‎ 48ページ
ISBN-10 ‏ : ‎ 4023333859
ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4023333857
寸法 ‏ : ‎ 2 x 21.8 x 21 cm

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