
モンテッソーリについてよくある質問にお答えします。
園には何歳から入るのがいいのでしょうか?
A
「何歳から始めるのが一番いい」という決まった年齢はありません。
モンテッソーリ教育には0〜3歳、3〜6歳、その後の学齢期まで、それぞれの発達段階に応じた環境があります。
ですから、0歳からでも、2歳からでも、3歳からでも始めることができます。
大切なのは「早く始めること」よりも、その時の子どもの発達に合った環境と関わり方を用意することです。
実は、モンテッソーリ教育は0歳から始まっています
「0歳からモンテッソーリ」と聞くと、赤ちゃんに教具を使わせたり、何かを早く教えたりすることを想像するかもしれません。
でも、そういうことではありません。
AMI(国際モンテッソーリ協会)では、誕生から3歳までを「Assistants to Infancy(0–3)」という一つの重要な発達段階として位置づけています。
この時期に大切なのは、赤ちゃんが自由に身体を動かせること、安心して周囲を見たり触れたりできること、大人が子どもをよく観察すること、そして発達に合わせて環境を変えていくことです。
何かを早くできるようにするのではなく、その子が今まさに育てようとしている力を邪魔せず支える。
これも立派なモンテッソーリ教育です。
0〜3歳にも、発達に応じた環境があります
AMIでは0〜3歳の環境を、子どもの発達に応じていくつかの形で紹介しています。
まだ歩いていない子どものためのNido(ニド)は、およそ2〜14か月。
歩き始めた頃から3歳頃までのInfant Community(インファント・コミュニティ)は、およそ14か月〜3歳を対象としています。
もちろん、これは「14か月になったら必ず次へ進む」という意味ではありません。
子どもの発達には個人差があります。
年齢の数字だけを見るのではなく、今その子がどのように動き、何に興味を持ち、何を自分でしようとしているのかを見ることが大切です。
1歳半〜2歳頃、「自分で!」が増えてきたら
歩けるようになり、手を使えることが増えてくると、子どもの世界は大きく広がります。
大人がしていることをよく見て、自分でもやってみようとします。
自分で靴を履こうとする。
手を洗う。
水を注ぐ。
テーブルを拭く。
洗濯物を運ぶ。
食事の準備を手伝う。
大人からすると「まだ無理だからやってあげよう」と思うことも多い時期ですが、子どもは生活の中で自分の身体を使い、「自分でできること」を増やそうとしています。
この頃になると、特別な教材をたくさん用意しなくても、家庭の生活そのものがモンテッソーリの活動になります。
では、3歳からでは遅いのでしょうか?
いいえ。3歳からでも遅くありません。
モンテッソーリ教育には、3〜6歳の子どものための「Casa dei Bambini(子どもの家/Children’s House)」という環境があります。
この時期の子どもは、日常生活の活動、感覚、言語、数などさまざまな活動を通して、自分の能力をさらに洗練していきます。
自分で活動を選び、自分のペースで取り組み、必要であれば何度も繰り返す。
その中で集中する経験や、自分でできたという経験を重ねていきます。
ですから「0歳からやっていなかったから、もう遅い」ということはありません。
4歳、5歳から始めても意味がありますか?
もちろんあります。
モンテッソーリ教育では、まず目の前にいる子どもを観察します。
今、何に興味を持っているのか。
何を繰り返しているのか。
何ができるようになろうとしているのか。
どこで困っているのか。
そして、その子の発達や興味に合った活動と環境を用意します。
そのため、「何歳から始めたか」だけで、その後のモンテッソーリ教育の価値が決まるわけではありません。
ただし、3〜6歳のモンテッソーリ環境は、本来この年齢幅の中で継続して生活しながら発達していくことを想定してつくられています。
早く始めた方が偉いということではありませんが、継続して環境を経験することにも意味があります。
「モンテッソーリを始める」=教具を買うことではありません
家庭でモンテッソーリ教育を始めようと思ったとき、最初に「どんな教具を買えばいいの?」と考える方もいるかもしれません。
でも、モンテッソーリ教育でいう「環境」は、教具だけを意味するものではありません。
子どもの手が届く場所に自分のものがある。
自分で服を選べる。
自分で水を飲める。
使ったものを自分で戻せる。
身体を十分に動かせる。
そして、大人がすぐに手を出さず、子どもの様子を見る。
こうした小さな環境づくりも、家庭でできる大切なモンテッソーリの実践です。
教具をそろえることより、「この子が自分でできるようにするには、環境をどう変えればいいだろう?」と考えることから始めてみてください。
始めるのに「遅すぎる」と焦らなくて大丈夫です
SNSなどで、小さな赤ちゃんがモンテッソーリの環境で過ごしている姿を見ると、「もっと早く知っていればよかった」と思うことがあるかもしれません。
でも、モンテッソーリ教育で大切なのは、早期教育の競争ではありません。
今、目の前にいる子どもをよく見ること。
そして、その子が「自分でやってみたい」と思っていることに気づき、必要な環境を少しずつ整えていくことです。
0歳には0歳のモンテッソーリがあります。
2歳には2歳のモンテッソーリがあります。
そして、3歳、4歳、5歳にも、その時期だからこそできる経験があります。
まとめ
モンテッソーリ教育に「○歳から始めなければならない」という決まりはありません。
0〜3歳には0〜3歳の、3〜6歳には3〜6歳の発達に合わせたモンテッソーリ環境があります。
「何歳から始めたか」よりも大切なのは、今の子どもの姿を観察し、その子が自分の力を使える環境を用意することです。
もし今日から家庭で何か一つ始めるなら、教具を買う前に、子どもの生活を一度眺めてみてください。
「これ、大人がやっているけれど、本当はこの子が自分でできるようにできないかな?」
そんな視点から、モンテッソーリ教育は始められます。
参考資料・出典
Association Montessori Internationale(AMI)「Montessori 0–3」
AMI公式 Montessori 0–3を見る
Association Montessori Internationale(AMI)「Montessori 3–6」
AMI公式 Montessori 3–6を見る
Association Montessori Internationale(AMI)「Montessori Environments」
AMI公式 Montessori Environmentsを見る








