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モンテッソーリについてよくある質問にお答えします。

Q.006

家庭でモンテッソーリをするなら、教具を買った方がいいですか?

A

家庭でモンテッソーリ教育を取り入れるために、最初から専用の教具をそろえる必要はありません。

ピンクタワー、茶色の階段、円柱さし、色板、砂文字板……。
モンテッソーリ教育には、子どもの発達を考えて科学的に設計されたさまざまな教具があります。

でも、それらを家庭に一式そろえることが「おうちモンテッソーリ」ではありません。

家庭には教室にはない、とても豊かな活動があります。

着替える、食べる、洗う、運ぶ、切る、拭く、片づける。

まずは毎日の生活の中にある「自分でできること」を見つけるところから始めてみてください。

モンテッソーリ教具には、きちんとした目的があります

モンテッソーリ教具は、単なる知育玩具ではありません。

たとえば感覚教具は、大きさ、長さ、太さ、色、形、音など、子どもがそれまで生活の中で受け取ってきた感覚的な印象を、整理し、分類し、洗練していくためにつくられています。

また、言語や算数にも、それぞれの発達段階に合わせて具体的な経験から抽象的な理解へ進むための教具があります。

そのため、本来は教具だけを子どもに渡して自由に遊ばせるのではなく、教師が子どもを観察し、適切な時期に使い方を提示します。

教具は「持っていること」より、いつ、どのように子どもへ紹介するかが大切です。

家庭では「日常生活」が最高の活動になります

家庭でぜひ大切にしてほしいのは、特別な教材よりも毎日の生活です。

水をコップに注ぐ。
テーブルを拭く。
野菜を洗う。
バナナを切る。
洗濯物をかごへ入れる。
靴をそろえる。
植物に水をあげる。
自分で服を着る。

大人にとっては単なる家事でも、幼い子どもにとっては、身体を動かし、手を使い、順序を理解し、自分の生活に参加する大切な経験になります。

モンテッソーリ教育では、こうした活動を「Practical Life(日常生活の活動)」として大切にしています。

指先を使う活動も、身近なものでできます

旧記事でも紹介していた「手を使う活動」は、今でも家庭でおすすめしたいものです。

はさみで紙を切る。
洗濯ばさみをつまむ。
シールをはがして貼る。
ひもを通す。
紙を折る。
のりで貼る。
スポンジを絞る。
小さなトングで物を移す。

年齢や発達に合ったものを選べば、身近な道具でもさまざまな手の動きを経験できます。

ただし、「指先を鍛えなければ」とトレーニングのように繰り返させる必要はありません。
子ども自身が「やってみたい」と思い、目的を持って手を使うことを大切にしてください。

あやとり、お手玉、折り紙も立派な活動です

昔から家庭の中には、子どもが手を使う遊びがたくさんありました。

あやとり、お手玉、おはじき、折り紙などもその一つです。

モンテッソーリ教育だからといって、すべての活動を「モンテッソーリ専用」にする必要はありません。

大人がゆっくりやって見せ、子どもがそれを見て、自分でもやってみる。
できるようになったら、今度は自分で繰り返す。

こうした「大人から見せてもらい、自分の手でやってみる」経験は家庭だからこそ自然に生まれます。

感覚や言葉も、日常生活の中にたくさんあります

家庭に感覚教具や言語教具をそろえなくても、子どもの周りには感覚と言葉の経験があふれています。

料理の匂いを嗅ぐ。
雨の音を聞く。
花の色を見る。
冷たい水に触れる。
果物の名前を知る。
散歩で見つけた虫について話す。
絵本を一緒に読む。

大人が「これは赤」「これは大きい」と何でも教え込む必要はありません。

子どもが何かに気づいたとき、その経験に必要な言葉を丁寧に添えてあげる。
家庭では、そんな自然なやり取りを大切にしたいものです。

市販の「モンテッソーリ玩具」はどうなの?

最近では「モンテッソーリ玩具」「モンテッソーリおもちゃ」という名前の商品をたくさん見かけるようになりました。

しかし、「モンテッソーリ」と商品名に書いてあるから、正式なモンテッソーリ教具というわけではありません。

商品を選ぶときには名前よりも、子どもの発達に合っているか、何をするものなのかが分かりやすいか、子ども自身が扱えるか、必要以上に大人が操作しなくても使えるか、といった点を見てみるとよいでしょう。

そして、たくさん買う必要はありません。
子どもを観察して、今必要なものを少しずつ用意する方がモンテッソーリの考え方に近いでしょう。

家庭を「小さなモンテッソーリ教室」にしなくて大丈夫

家庭とモンテッソーリの教室には、それぞれ違う役割があります。

教室には、発達段階に合わせて体系的に整えられた教具と、子どもを観察して適切な活動を紹介する教師がいます。

一方、家庭には、食事をつくること、洗濯をすること、掃除をすること、着替えること、家族と話すことなど、本物の生活があります。

だから家庭を教室そっくりにする必要はありません。

「この子が、自分で生活に参加できるようにするにはどうしたらいいだろう?」

そう考えて環境を少し変えてみることの方が、専用教具をたくさん買うことよりも大切です。

まとめ

家庭でモンテッソーリ教育を始めるために、専用教具をたくさん購入する必要はありません。

まずは子どもの毎日の生活を見てみましょう。

自分でできそうなのに、大人が代わりにしていることはないでしょうか。
子どもの手が届かないために、できなくなっていることはないでしょうか。

小さなピッチャーを用意して自分で水を注げるようにする。
低い場所にタオルを置いて自分で取れるようにする。
子どもサイズの道具を用意して、一緒に掃除をする。

「何を買おう?」ではなく、「何を自分でできるようにしよう?」

そこから家庭のモンテッソーリを始めてみてください。

参考資料・出典

Association Montessori Internationale(AMI)「Montessori 3–6」
AMI公式 Montessori 3–6を見る

Association Montessori Internationale(AMI)「Montessori Environments」
AMI公式 Montessori Environmentsを見る

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