
モンテッソーリについてよくある質問にお答えします。
モンテッソーリ教育を受けた子どもには、どんな力が育ちやすいのですか?

A
モンテッソーリ教育を受ければ、必ず「こういう子になる」と決まっているわけではありません。
子どもの性格や家庭環境、園での過ごし方によっても違います。
ただ、これまでの研究では、読み書きや算数などの学びに加えて、集中を保つこと、自分の行動を調整することなど、いくつかの面で良い結果が報告されています。
モンテッソーリ教育が大切にしているのは、特定のタイプの「優秀な子」を育てることではなく、自分で考え、選び、行動できるようになることです。
自分で考え、選ぶ経験を重ねます
モンテッソーリの教室では、大人が毎回「次はこれをしなさい」と決めるのではなく、子ども自身が活動を選びます。
自分は何をしたいのか。
どうやって取り組むのか。
どこまでやったら終わりにするのか。
もちろん最初から上手に選べる子ばかりではありません。教師が子どもを観察しながら必要な援助をし、少しずつ自分で決めて行動する経験を重ねていきます。
集中し、自分の行動を調整する力
モンテッソーリ教育では、子どもが興味を持った活動に、自分のペースで繰り返し取り組める時間を大切にします。
2023年に発表された32研究を対象とした研究レビューでは、読み書きや算数だけでなく、注意を保つ、衝動を抑える、計画する、状況に合わせて考え方を切り替えるといった力についても、平均的に良い結果が報告されています。
ただし、これはすべての子どもに同じ結果が現れるという意味ではありません。
間違えても、自分でもう一度考えます
モンテッソーリ教具の中には、子ども自身が間違いに気づけるよう工夫されているものがあります。
大人がすぐに「違うよ」と正解を教えるのではなく、自分で試し、気づき、もう一度やってみる。
「間違えないこと」より、「自分で確かめて考え直すこと」を経験していきます。
自立とは「何でも一人ですること」ではありません
モンテッソーリ教育では「自立」を大切にしますが、それは何でも一人でできる子にするという意味ではありません。
自分でできることは自分でする。
難しいときには「手伝ってください」と人に助けを求める。
そして周囲の人と一緒に生活する。
3〜6歳のモンテッソーリ環境では異年齢の子どもたちが一緒に過ごし、待つ、助ける、譲る、人の活動を邪魔しないといったことも毎日の生活の中で経験します。
「モンテッソーリなら○○な子になる」とは言えません
研究では、読み書きや算数などについても平均的に良い結果が報告されています。
一方、人との関わりや創造性などについては、まだ研究結果にばらつきがあります。
そのため、「モンテッソーリなら集中力の高い子になる」「創造性の高い子になる」「将来成功する」といった言い方は適切ではありません。
有名人の成功例だけから、モンテッソーリ教育の効果を判断することにも注意が必要です。
まとめ
モンテッソーリ教育が目指しているのは、「将来成功する子」をつくることではありません。
自分で選ぶ。
自分でやってみる。
自分で考える。
うまくいかなければ、もう一度試す。
必要なら人に助けを求める。
自分の意思を持ちながら、周りの人とともに生きていく。
そんな力を、幼い頃から毎日の生活や活動を通して少しずつ育てていくのがモンテッソーリ教育です。
参考資料・出典
Randolph, J. J. et al. (2023)
“Montessori education’s impact on academic and nonacademic outcomes: A systematic review.”
Campbell Systematic Reviews.
論文全文を見る
Association Montessori Internationale(AMI)「Montessori 3–6」
AMI公式 Montessori 3–6を見る








