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モンテッソーリについてよくある質問にお答えします。

Q.020

モンテッソーリと伝統的な教育との違いは何ですか?

A

モンテッソーリ教育と伝統的な教育の違いは、教育のアプローチや学び方、環境設計、教師の役割など、いくつかの重要な点にあります。以下に主要な違いを説明します。

1. 学びのアプローチ

モンテッソーリ教育:子どもが自分の興味や発達段階に合わせて、自由に活動を選ぶことができます。学びは自発的で、実際に手を使いながら行う「具体的な体験」に基づいています。

伝統的な教育: 教師がカリキュラムに沿って授業を進行し、子どもたちは同じペースで同じ内容を学びます。教師の指導に従って進める一斉授業が一般的です。

2. 子どもの役割

モンテッソーリ教育:子どもは自分で選択し、独立して活動します。自主性や自己管理が重視され、子どもは自分のペースで学びます。学びにおける内発的動機が大切にされます。

伝統的な教育:子どもは教師の指示に従って学ぶ受動的な立場にあり、学習のペースや内容は決まっており、全員が同じ内容に取り組むことが一般的です。

3. 環境と教具

モンテッソーリ教育:教室は「整えられた環境」として、子どもが自主的に学べるように設計されています。教具(マテリアル)は、子どもの感覚や知識を具体的に刺激し、独自に探索・学習できるように作られています。

伝統的な教育: 教室は通常、子どもたちが座って教師の説明を聞く形態です。教材は多くの場合、教科書やワークシートを使い、教師が中心となって説明や指導を行います。

4. 教師の役割

モンテッソーリ教育:教師は「ガイド」として、子どもたちの学びを観察し、必要に応じてサポートします。教え込むのではなく、子どもが自ら学びに取り組むことを尊重し、発達段階に応じて適切な教具を紹介します。

伝統的な教育: 教師は「指導者」として、知識を教え、子どもたちに情報を伝える役割を果たします。教師が教室の中心となり、学習内容を伝えることが多いです。

5. 評価方法

モンテッソーリ教育: 子どもの学びは、テストや成績ではなく、個々の成長と自己評価に重きを置きます。子どもの観察を通じて、教師が進捗を理解し、サポートします。

伝統的な教育: 成績やテストによる評価が中心で、子どもの学力や進度を数値化して判断します。クラス全体に同じ基準が適用されます。

6. 社会性の育み方

モンテッソーリ教育:異年齢の子どもが同じ教室で学びます。これにより、年上の子が年下の子を助け、リーダーシップを発揮する場が自然に生まれ、協力や共感が育まれます。

伝統的な教育:同年齢の子どもたちがクラスを構成し、年齢に応じた指導が行われます。競争が生まれることが多く、社会的スキルはクラス外の活動で育まれることが多いです。

7. 目的の違い

モンテッソーリ教育:子どもが自立し、自己の成長を感じながら学び続けるための内発的動機を育てることが主な目標です。学びのプロセスが重視されます。

伝統的な教育: 知識を定着させ、一定の基準をクリアすることが目的となります。学習の結果(テストや成績)が重要視されます。
これらの違いにより、モンテッソーリ教育はより子ども主体の学びを提供し、伝統的な教育は教師主導で体系的な学びを提供する形になります。どちらも目的や環境によって異なる良さを持っています。

 


ことばを育てるえほん あいうえオノマトペ
出版社 ‏ : ‎ 河出書房新社
発売日 ‏ : ‎ 2021/4/21
言語 ‏ : ‎ 日本語
単行本 ‏ : ‎ 96ページ
ISBN-10 ‏ : ‎ 4309291376 
ISBN-13 ‏ : ‎ ‎ 978-4309291376
寸法 ‏ : ‎19.1 x 1.4 x 17.9 cm

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