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子どもの「敏感期」は大人も一緒に感動しよう。(3歳〜6歳)

感覚の敏感期(3歳〜6歳)」は一生に一回きりの感覚を磨いていく時期です。 すぐれた感性をもった人に成長するためには、このに時期に外界から感じ取る感覚を磨いておく必要があります。

子どもが感動したり発見したりして喜んでいる時、一緒に感動したり、喜んだりすることが大事なのです。 大人がそうしてくれると、子どもは自分の能力に自信を持ち自分の感性を信じ自分らしく生きていける力を貯えていきます。

母娘タンポポ

見る(聴覚)聴く(聴覚)触れる(触覚)嗅ぐ(嗅覚)味わう(味覚)、これらの感覚の一つ一つをよく使うことによって、その機能は洗練されます。


見る(聴覚)

ある日、こどもが公園で遊んでいた時、ガラスの破片を拾ってきました。 「わー!ダイヤモンドだー!」「ママ、ダイヤモンド拾ったよ!」 それを見たママ、
「まあよかったわねぇ」と一緒に喜んであげますか?
「それガラスやんか!汚い!捨てなさい!」と言ってしまった事ないですか?

子供が道端で小さな花を見つけて摘んで帰りました。
ママは「きれいね。これは草だから、すぐに枯れてしまうけど、活けておきましょうね。」
そういって、ガラス瓶につけてあげました。

子供は翌朝枯れているのを見て、ああ、やっぱり枯れてしまうんだなあという事を知り、それ以上にママが活けてくれたことが嬉しかった気持ちをいつまでも鮮明に覚えています。

視覚が洗練されるこの時期は、小さな差異に気がつき、美しい物に感激します。 この時期特有の感じ方は 大人にはもうないので、共感することは難しいです。

だからと言って、 子供が「きれいだ」といっているものを「きれいじゃない」と言ったり、 子供が宝物のように大事に拾ってきた石ころを「捨てなさい」と言ってはいけません。 そうされることが重なると、子供は、「自分がきれいだと思ったものはきれいじゃないのか」「自分にとって大事なものは、大事じゃないのか」と思うようになり、自分の感じ方や考え方に自信がなくなります。そして、本質的なものへの直感力がない人間になっていきます。


聴く(聴覚)

給食を食べているDちゃん。
となりのクラスのピアノの音、お友達がスプーンを落とした音、外のヘリコプターの音などにじーっと耳を傾けて食事が進みません。音に敏感なDちゃんにとってはどれも大切な音です。

「聴覚の敏感期」だなんて知らない保育士さんであれば、食事が進まない理由を知ることができないので、「早くたべよう?」「どうしたの?」と言ってしまうでしょう。

食事をしながら聞こえてくる音に耳をかたむけているDちゃんにとって、どの音も大切な音なんだと、「敏感期」を知っていて、ささいなことをわかってあげられて、自分が生きるペースを大事にしてくれる大人が側にいてくれると子どもは幸せです。

耳が洗練されたということもありますが、それ以上に、「自分が大切にされた」ということを子どもは実感します。
幼児期にこのように大切にされると、自尊感情が低い人間にはならないはずです。


触れる(触覚)

G君はママの胸や腕の柔らかいところを触りたがります。
I君はママが着替える時に、すっ飛んできてスリップを触ります。
「まあ、いやらしい」「触っちゃダメ」とか言ってしまったりしていませんか?

触覚の敏感期にいる子どもは様々な感触を楽しむ時期です。
それを知っていれば、余計な心配や厳しさを持たなくてもすみます。

毎日、先生のスカートを触りに来て「今日はスベスベ」「今日はあたたかい」と手で感じたことを表現する子もいます。

モンテッソーリは「発生学的にみると、手と脳は同じ外胚葉からできているので、子どもが手で触りながら様々な抵抗度の違いを確かめている時は、脳も刺激されている。だから、その時の子どもは小さな科学者なのだ」といっています。 


嗅ぐ(嗅覚)

こどもは「におい」で当てます。
先生がうっかりして、J君の頭に違う子の帽子をかぶせようとしました。すると、「これボクのにおいとちがう」とはねのけました。
同じ形の同じ色の帽子がたくさんあるのに、子どもたちはちゃんと自分の帽子をかぶります。

ある日、五人の女の子が流行っている同じキャラのハンカチで遊んでいて、ゴチャ混ぜになってしまいました。 
そばで見ていた先生は困ってしまいましたが、子どもたちはちっとも困りません。一枚づつにおいを嗅いでちゃんと所有者に戻していました。

「所有者をにおいで当てる!」大人だと考えられませんが、これこそ「嗅覚の敏感期」の子どもたちのみの行為です。


味わう(味覚)

この時期は「味覚」も敏感期です。
旬の野菜の甘み、新鮮な魚のうまみ、ママの味付け、ママがにぎった手のにおいなど、微妙な味の差異がわかります。
だから、この時期にお母さんが手作りしてくれた料理の味は生涯忘れることのできない懐かしい味になります。「おふくろの味」です。おふくろの味は時間をかけて手間をかけて自分のために料理を作ってくれた人がいたことの証です。

ある日、Sちゃんはお弁当を楽しみにしていたのですが、食べ始めたらすぐに箸を置いてしまいました。今日はハンバーグが入っていると心まちにしていたのですが、ママが忙しくて既製品のハンバーグをいれてしまったのです。Sちゃんは一口食べましたが、期待していたママの味ではなかったので、食べられなかったのです。

保育園の給食ですまし汁を飲んだK君。
「今日は何か味が違う、、、」そう、すぐにだしが違う事に気付いてしまいます。
カレーのルーが違う時も「いつもと違う!」と一口で気付いてしまいます。
子どもたちの味覚の鋭さには感心してしまいます。

「おふくろの味を」をたっぷり味わった人は、味のある人になります。
なるべく手料理を頑張って食べさせましょう!とモンテッソーリ教師の方が講演で話すと、
昔はやさしい顔つきで頷くママが多かったそうですが、
最近この話をすると、ママ達の顔が曇るのだそうです。
子育て初めてのママ、時間が足りないママには手間をかけた料理を作るのが厳しくなっています。
バンビーノのごはんのコーナーのコラムは、「本物」「おふくろの味」を基軸として、書いていますので、参考にしてくださいね。


これら感覚の敏感期に子どもは、いっぱい感動しながら生涯を豊かな感性で生きる土台を作っています。その貴重なチャンスを逃さないようにしましょう。

 

相良敦子(2007).親子が輝くモンテッソーリのメッセージ 子育ち・子育てのカギ 河出書房新社

p_takaya デザイナー&モンテッソーリポータル「バンビーノ」編集長/池角貴也   広告デザイン会社、OL向け雑誌編集部、音楽雑誌編集部、WEB制作会社、映像制作会社勤務を経て、株式会社フラグメント(ホームページ制作会社)代表。
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