アメリカ AMIとAMSが米国共通カリキュラムを共同策定 – 0〜6歳版を2026年末に公開予定
AMI(Association Montessori Internationale/国際モンテッソーリ協会)とAMS(American Montessori Society)など、米国の主要なモンテッソーリ関連団体が共同で、全米向けの「US National Montessori Curriculum(米国モンテッソーリ全国カリキュラム)」を策定しています。
最初に公開されるのは、誕生から6歳までを対象とする0〜6歳版です。
AMIは2026年10月17日、この0〜6歳版を2026年後半に公開する予定だと発表しました。
AMI公式「US Montessori National Curriculum」
AMIとAMSだけではなく、4つの組織が共同で策定
今回のプロジェクトには、次の4組織が参加しています。
・Association Montessori Internationale(AMI)
・American Montessori Society(AMS)
・Association Montessori International/USA(AMI/USA)
・Montessori Public Policy Initiative(MPPI)
MPPIは、AMSとAMI/USAによる米国の政策・アドボカシー組織です。
MPPIの公式発表では、今回のカリキュラムは、複数年にわたる共同作業によってつくられてきたと説明されています。
策定には、モンテッソーリ教師養成者、教育実践者、研究者、教育政策の専門家などが参加しています。
なぜ「全国カリキュラム」が必要なのか
今回の取り組みで興味深いのは、モンテッソーリ教育そのものを新しくつくるわけではないことです。
目的の一つは、「十分に実施されたモンテッソーリ教育とは、具体的にどのような教育なのか」を、共通の言葉で説明できるようにすることです。
米国では、公立学校、私立学校、チャータースクールなど、さまざまな形でモンテッソーリ教育が広がっています。
その一方で、「Montessori」という名称だけでは、どのような教育内容が実際に行われているのか分かりにくいという問題もあります。
MPPIによると、行政担当者や州政府、学校区、大学、研究者、そして保護者が、モンテッソーリ教育を共通の基準で理解できるようにすることが、このカリキュラム策定の大きな目的です。
哲学だけでなく、実際の教育内容まで示す
MPPIは、今回の「US National Montessori Curriculum」について、モンテッソーリ教育の哲学、原則、カリキュラム、実践を体系的に説明するものになるとしています。
つまり、「子どもを尊重する」「自立を大切にする」といった理念だけではなく、モンテッソーリ環境で具体的にどのような教育が行われるのかまで示される予定です。
最初に公開される0〜6歳版では、乳児期から「子どもの家」までの教育が対象になります。
現時点では完成版そのものはまだ公開されていないため、具体的な項目や構成については公開後に確認する必要があります。
米国政府の「学習指導要領」ではない
ここは誤解しないようにしたいところです。
名称には「National Curriculum」とありますが、これは米国連邦政府が定める法的な全国学習指導要領ではありません。
AMI、AMS、AMI/USA、MPPIなど、モンテッソーリ教育の主要団体が共同で策定する、モンテッソーリ教育を説明するための全国共通の枠組みです。
行政や学校関係者との話し合いで使える共通資料としての役割も想定されています。
なぜAMIとAMSの共同策定が注目されるのか
米国では、AMIとAMSはそれぞれ長い歴史を持ちながら、教師養成や学校支援などを別々の仕組みで発展させてきました。
今回のプロジェクトでは、その両者が、AMI/USA、MPPIとともに、一つの全国カリキュラムを共同でまとめています。
MPPIはこれを、モンテッソーリ教育を共通の言葉で説明するための、これまでにない規模の共同作業と位置づけています。
教育団体ごとの違いをなくすという意味ではなく、「モンテッソーリ教育として共通して大切にするもの」を明確にする試みと見ることができます。
完成版は無料公開予定
完成したカリキュラムは、MPPIのウェブサイトでオープンアクセス資料として公開される予定です。
教師や学校だけでなく、行政担当者、大学、研究者、保護者なども無料で閲覧できるとしています。
0〜6歳版の公開後には、AMI/USAとAMSがそれぞれ開催する2027年のイベントで、策定に関わった著者や関係者による解説セッションも予定されています。
他の国ではすでに「全国カリキュラム」がある
AMIは今回の発表の中で、これまでにも各国の団体と協力して、モンテッソーリ教育の全国カリキュラムづくりに関わってきたと説明しています。
例として挙げられているのが、オーストラリア、ケニア、ノルウェーです。
こうした文書は、保護者や教育政策に関わる人たちが、「十分に実施されたモンテッソーリ教育とは何か」を理解するための基準として使われています。
今回の米国版も、その流れに位置づけられるものです。
「モンテッソーリ」と書いてあれば同じ教育なのか
今回の動きは、日本から見ても興味深いものです。
日本でも「モンテッソーリ」という言葉を掲げる園、教室、教材、子育て情報は増えています。
しかし、その名称だけを見て、どこまでモンテッソーリ教育の考え方や実践が反映されているのかを判断することは簡単ではありません。
米国で今回つくられている全国カリキュラムは、そうした曖昧さに対して、主要なモンテッソーリ団体が共通の説明を示そうとする動きとも言えます。
0〜6歳版が実際に公開されたら、どのような内容が「モンテッソーリ教育の共通部分」として整理されたのか、バンビーノでも改めて詳しく見てみたいと思います。
参考資料
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2026.10.20 研究発表
AMIとAMSが米国共通カリキュラムを共同策定 – 0〜6歳版を2026年末に公開予定
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