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「自分でできるようにする」だけが自立ではありません

「モンテッソーリ教育は、子どもに何でも自分でやらせる教育」そんなイメージを持っている方もいるかもしれません。
確かにモンテッソーリの環境では、子どもたちは自分で手を洗ったり、服を着たり、食事の準備をしたり、植物の世話をしたりします。

けれども、目指しているのは単に「一人でできることを増やす」ことではありません。
大切なのは、子どもの中から生まれてくる「自分でやってみたい」という力を、大人が必要以上に奪わないことです。

大人がやった方が、ずっと早い

朝の忙しい時間。子どもが一生懸命ボタンを留めているけれど、なかなか入りません。靴を履こうとしているけれど、左右が分からなくなっています。コップに水を注ごうとして、少しこぼしてしまいました。

大人から見れば、「やってあげた方が早い」場面ばかりです。
もちろん、時間がないときには大人が手伝うこともあります。それ自体が悪いわけではありません。

ただ、毎回大人が先回りしてしまうと、子どもが自分で試す機会そのものが少なくなってしまいます。

「できる・できない」より、その途中に大切なものがあります

たとえば、小さな子どもが水差しからコップへ水を注ぐ活動。大人にとっては何でもない動作ですが、子どもにとってはかなり複雑です。

水差しを両手で持つ。
注ぎ口を見る。
傾ける力を調節する。
水位を見る。
適当なところで止める。
水差しを元の場所へ戻す。

さらに、こぼれたら布で拭くというところまで活動は続きます。

「手伝わない」のではなく、「手伝い方を変える」

子どもの自立を尊重することは、「何でも一人でやりなさい」と突き放すことではありません。

まだ難しい動作なら、大人がゆっくり見せる。
物の大きさが合っていなければ、子どもが扱える道具を用意する。
届かなければ、届く高さに置く。
工程が複雑すぎるなら、できる部分だけ任せる。

つまり、子ども本人を急いで変えようとする前に、環境の方を子どもに合わせてみるのです。

参考資料・出典

Smith, L., et al. (2023). Montessori education’s impact on academic and nonacademic outcomes: A systematic review.
Lillard, A. S. (2017). Montessori education: a review of the evidence base. npj Science of Learning.
Kuo, H.-C., et al. (2023). A meta-analysis of the effects of Montessori education on children’s development and learning.

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