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1歳半から3歳の「できた!」が育つ場所ーモンテッソーリで広がる子どもの可能性

子育ての中で、「この時期の関わり方が難しい」と感じることはありませんか?
まだ言葉も不安定で、気持ちの切り替えも難しい。思いどおりにいかないと泣いたり怒ったり。1歳半から3歳ごろの子どもたちは、心と体の土台を一生懸命つくっている最中です。

でも実は、この“手がかかる時期”こそ、モンテッソーリ教育の視点から見ると、とても大切な学びの宝庫。
このコラムでは、私たちが実際にモンテッソーリ教育の現場で見てきた子どもたちの姿を通して、どんな「育ち」がこの時期に起きているのか、モンテッソーリ的アプローチで見守る方法とともにご紹介します。

「やりたい!」が生まれる瞬間に寄り添う

ある春の日の朝、2歳のTくんが静かに雑巾を取り、机の上を拭いていました。拭き終わると、今度は棚、椅子の足、窓枠と、次々に掃除を始めます。誰にも言われていません。Tくんが自分でやりたいと思って、始めたのです。

この「やりたい!」という内側から湧き上がる気持ちこそが、幼い子どもたちの成長の原動力。
大人はこの気持ちが芽生えた瞬間をキャッチし、その行動を妨げず、見守り、環境を整えてあげる。モンテッソーリ教育では、その姿勢をとても大切にしています。

小さな失敗を自分で乗り越える経験を

子どもは日々、小さな失敗を繰り返します。
水をこぼす、紙を破ってしまう、切りすぎてしまう——そんなとき、大人がすぐに手を出すのではなく、「どうしようか?」と子どもに委ねると、驚くような発想で乗り越えようとします。

たとえば、こぼれた水を自分で雑巾で拭く。破れた紙はテープで直す。
その経験は「失敗しても、なんとかできる」という安心感と、「やり直せる自信」につながります。

幼い頃からこうした“自分で立て直す”体験を積み重ねていくことで、心のしなやかさやたくましさが育っていくのです。

「選ぶ」から始まる自立の土台

モンテッソーリの環境では、子どもたちが自分で活動を選ぶところから始まります。
たくさんの教具や素材の中から、今日は何をしたいか、自分で手を伸ばす。これが大人からの指示ではなく、自発的な選択であることが大切です。

「選んで始める」「満足して終わる」「次をまた自分で選ぶ」──この活動のサイクルを繰り返すことで、子どもは内側のリズムを整え、自分をコントロールする力を少しずつ身につけていきます。

毎日の中で「自分で選ぶ」「自分で終わる」という経験を積み重ねることが、やがて「自分の人生を選び取る力」へとつながっていくのです。

「てつだって」と言える子になる

子どもたちがすべてのことを最初から自分でできるわけではありません。できなくて泣いたり、怒ったりする場面もたくさんあります。
そんなときに「てつだって」と自分の言葉で伝えることができると、それだけで世界が広がります。

モンテッソーリ教育では、助けを求めることも「自立の一部」として大切にしています。
自分の限界を知り、必要なときには誰かに頼ることができる。そんな子どもは、やがて他人にも優しくできる存在になっていきます。

「ひとりでできる」への一歩

クラスに通い始めたばかりの子どもたちの多くは、最初は泣いています。
ママとバイバイして、初めてひとりで過ごす時間に不安や戸惑いがあって当然です。
でも、そんな子どもたちも、ある日ふと泣き止んで、教室の隅で夢中になって何かをしていることがあります。

周囲の楽しそうな様子に自然と引き寄せられて、少しずつ活動に参加していく。
その過程こそが、自立への第一歩です。大人は焦らず、信じて待つこと。その時間が子どもにとってかけがえのない経験になります。

「待つ」ことで育つ、思いやりと秩序

教具が一つしかない環境の中で、子どもたちは「今は順番を待つ」ということを少しずつ学んでいきます。
最初は我慢できずに手を出してしまうこともありますが、繰り返しの中で、そばで見守る、他のことをしながら待つ、という選択ができるようになります。

順番を守る、他の人の活動を尊重する──それは社会性の第一歩。
遊びや活動の中で自然にそれを学べるのが、モンテッソーリ環境の魅力です。

ことばの世界が広がる瞬間を逃さない

2歳ごろは、いわゆる「言語の爆発期」。
この時期の子どもたちは、聞いたことばをどんどん吸収していきます。
モンテッソーリの1歳半〜3歳クラスでは、名詞を中心に、ミニチュアやカードを使って語彙の世界を広げています。

「これは○○」「○○ちょうだい」などの簡単なやりとりを繰り返すことで、子どもたちは“ことばで伝える”喜びを身につけていきます。
語彙の裾野が広がるほど、思考も豊かに育っていきます。

「目的のある活動」が、心と体を育てる

子どもたちの活動には、遊びに見えても“目的”があります。
たとえば「ホットケーキをつくる」「拭く」「磨く」「畳む」など、大人の生活に直結するような動きが子どもたちの活動の中にたくさんあります。

これらには必ず「スタート」と「ゴール」があり、達成感があります。
その感覚が「もっとやりたい」につながり、繰り返す中で動きが洗練され、自信となって積み重なっていくのです。

おわりに──「育てよう」としすぎないで、見守ること

1歳半から3歳の子どもたちは、私たちが思っている以上に、自分の力で育っていける存在です。
大人があれこれ手を出すのではなく、少し引いて見守ることで、子ども自身の「育つ力」が自然と花開いていきます。

モンテッソーリ教育の考え方は、日常の子育てにも取り入れられることがたくさんあります。
「うちの子、こんな時どうしたらいいんだろう?」
そんな悩みにそっと寄り添えるヒントが、きっとあるはずです。

もし、ご興味を持たれた方は、私たちが運営している「上野毛モンテッソーリこどものいえ バンビーノ」の教室のサイトも、ぜひのぞいてみてくださいね。

「ちょっと話を聞いてみたいな」「詳しく知ってから考えたい」という方には、ZOOMでの30分ほどのご相談も承っています。
体験のお申し込みフォーム内に、ZOOM相談をご希望の方のためのチェック欄がありますので、そちらをチェックしてご送信ください。
日程など、こちらから改めてご連絡させていただきます。

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デザイナー&モンテッソーリポータル「バンビーノ」編集長/池角貴也   広告デザイン会社、OL向け雑誌編集部、音楽雑誌編集部、WEB制作会社、映像制作会社勤務を経て、株式会社フラグメント(ホームページ制作会社)代表。
2020年9月世田谷区上野毛にて
上野毛モンテッソーリこどものいえ 「バンビーノ」オープンしました!
https://bambi-no.net/kodomonoie/
2020年AMI3-6モンテッソーリ教師アシスタント資格取得。
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