「またこの絵本?」何度も同じ本を読みたがるのはなぜ?「たくさん読む」より大切な0〜3歳の読書環境

「またこれ読むの?」
昨日も読んだ。
今朝も読んだ。
もう内容だって覚えているのに、子どもはまた同じ絵本を持ってくる。
大人はつい思います。
「ほかの本も読んだ方がいいんじゃない?」
「いろいろな言葉に触れた方がいいんじゃない?」
「こんなに同じ本ばかりで大丈夫?」
でも、小さな子どもにとっては、同じ絵本を読むたびに“同じこと”が起きているわけではありません。
このことについて、AMI 0–3トレーナーのZhou Fang(ジョウ・ファン)氏は、AMI公式「Voices of AMI Training」で、0〜3歳の子どもと読書について語っています。
たくさんの本を次々に与えることよりも、子どもが自分のペースで本と関係をつくっていくこと。
何度も同じ本を選ぶ姿も、その大切な過程のひとつです。
同じ本なのに、子どもは毎回ちがうものを見ている
大人は、一度読めばだいたい内容が分かります。
でも赤ちゃんや小さな子どもは違います。
今日は犬の絵を見ている。
明日はその横にあるコップに気づく。
その次は、ページをめくること自体がおもしろい。
何度も同じ本を開きながら、少しずつ世界を広げています。
「ここでこの絵が出てくる」
「次はこの言葉だ」
「このページ、知ってる」
そうやって、まだ言葉にならない理解を何度も確かめています。
モンテッソーリの活動でも、子どもは同じことを何度も繰り返します。
一度できたから終わり、ではありません。
何度も繰り返すからこそ、理解が深まり、自分のものになっていく。
絵本も、よく似ています。
「何冊読んだか」より、「なぜこの本なのか」
読み聞かせをしていると、
「1日何冊くらい読めばいいですか?」
と気になることがあります。
でも、冊数を気にしすぎると、大人の目は「今日は何冊読めたか」に向いてしまいます。
本当は、もっとおもしろいところがあります。
なぜこの本を選ぶのか。
どこで手が止まるのか。
どのページを何度も見るのか。
子どもは、自分の興味をちゃんと本の中に見つけています。
10冊を急いで読むより、同じ一冊を何度も開く。
0〜3歳では、それも十分に豊かな読書です。
本棚いっぱいに並べなくてもいい
子どものために、たくさん絵本をそろえたくなることもあります。
でも、この時期は本の数より、自分で選べることの方が大切です。
手が届く高さ。
表紙が見える。
自分で取れる。
自分で戻せる。
そして今、その子が興味を持っている本が数冊ある。
それだけで十分なこともあります。
食べること。
動物。
家族。
乗り物。
身近な自然。
自分の生活とつながっているものは、小さな子どもにとって特別です。
「教育的に良さそうな本」を増やすより、今この子が何に目を向けているのかを見る。
そこから本を選ぶ方が、その子にとって意味のある読書になります。
「またこれ?」と思ったときこそ
同じ絵本を何度も持ってこられると、正直、大人が飽きる日もあります。
そんなときは、
「またこれ?」
ではなく、
「今日もこれなんだね」
と見てみる。
昨日とは違う場所を見ているかもしれません。
昨日までは言わなかった言葉が出るかもしれません。
あるいは、ただ同じ声、同じ流れをもう一度味わいたいだけかもしれません。
それでもいいのです。
子どもは、同じ一冊の中で何度も確かめ、何度も発見しています。
読書は、どれだけたくさん与えたかではなく、
子どもが自分から「もう一度」と戻っていけるかどうか。
0〜3歳では、そんなところから始まっていくのかもしれません。
参考資料・出典
Association Montessori Internationale(AMI)
Zhou Fang「From Parent-Child Reading to Independent Reading」/Voices of AMI Training
AMI公式記事を見る
※本記事は、AMI公式「Voices of AMI Training」に掲載されたZhou Fang氏の記事をもとに、0〜3歳の子どもが同じ絵本を繰り返し選ぶ姿と、家庭での読書環境について考えたものです。
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