Season 2 <第5話> 今、必要なのは自己観察だった 嫌いになりかけたモンテッソーリに戻った瞬間
前に、「私のせいで」家族の雰囲気が最悪だった、と書きました。
そう、気づいてはいたのです。私が変われば、家族の雰囲気も少しはマシになるんだろうってことに。
でもあまりにもいろんなことが押し寄せていっぱいいっぱいすぎて、そこに注力するまでには至らなかったのです。もしくは、私はこんなに頑張っているんだから、Aちゃんもお父さんも少しは頑張りなさいよ!という何とも傲慢な考え方に陥っていました。
そして同時に、頑張りすぎる自分を「頑張らなくていいよ」と言ってくれる記事ばかり探して読んでいました。家事も育児も手を抜いていいんだよ、お母さんも自分の時間を持っていいんだよ、的な。あとは失敗の体験談とか。
こういうのって人の話だと面白いし、読んだ直後は少し救われた気になるんですが、でも自分が抱えている問題の根本的な解決には全くつながらないから、結局私が求めているのはこれじゃない感もずっとまとわりついていました。じゃあ読むなよって話ですね。すみません。
かといって「こうするといいですよ」的な記事は
「知ってる!ぜーんぶ教わった!現場で実践もしてきたし、保護者にも同じ話してきた!でも今の私はできないんだよ!何なら自分が言ってきたことが全部ブーメランになってザクザク刺さってるよ!!!」
と勝手に逆ギレ状態で目も当てられない。ほんと我ながら病んでるなーっていう時期でした。
私がとにかく欲しかったのは
「知っていても、分かっていてもできないとき、どうしたらいいんだよ――――――」
ということへのヒントだったのです。
そんな生活の中、短期的に携わっていたモンテッソーリ関係のお仕事上、どうしてもアルバム(モンテッソーリの講義を聞いて自分で作る教科書的な物)を見直さないといけない時がありました。
見直したのは「観察」という項目でした。
そこにはもちろん、子どもをどう観察するか、環境をどう観察して変えていくか、ということが書かれている…のは自分で書いたアルバムなので分かっていたのですが、その前に第一項目として
1 自己観察
と書かれていたのです。
イヤ書いたの私なんですけど。
全く記憶になくて、新鮮な気持ちで読んでしまいました。
と言ってもシンプルに
「子どもや環境の観察の前に、まずは自分自身を見直すこと」
と書かれていただけなのですが
あんなに大事大事と言われていた子どもの観察が2番目で、最優先が自分の観察なの?
と新たな発見をした気になりました。
そして
今、私に必要な根本的解決策が、まさにこれなんじゃないか
と感じたわけです。
Aちゃんの観察とか、環境整備とかその前に、私自身をもう一度見つめ直す必要があるな。
と強く感じたのです。
そう思えて改めて、自分の見直し=自己観察をしてみました。
自分は何が好きで何が嫌いなのか。得意なこと、苦手なことは何か。今苦手なことを無理してやろうとしていないか。だからイライラするんじゃないのか。
どんな性格か。特に今はどんなときに怒りスイッチが入るのか。それはどのような生育環境が影響しているのか、それともそれ以外の原因があるのか。
という内面のことに加え、
体調はどうか。子育て疲れもあってとても良好とはいえないうえに、年齢的に、生理的不調も顔を出してきているような気がする。どうやってその不調の波と付き合いながら子どもと関わっていくか。不調を一つ一つよくしていくにはどうしたらいいのか。
という身体面についても、(なんせ不調の嵐だったので)見直しせざるを得ませんでした。
あともうひとつ。
パートナーとの関係も、子どもが家族に加わった時点で大きく変わりますよね。
けどどうもうちの夫は、どうやらそう簡単には変わらない様子。もともとめっちゃマイペースな人で、そこがよかったりもするけど今はそのマイペースさに腹が立つ(笑)。
要するにお父さんは良くも悪くも、何も変わらないわけです。でも子どもとの生活に対応するために、母親である私ばかりが変わらざるをえない状況で、そこの距離感に私がものすごくストレスを感じて、暴言を吐いてしまったり逆に無視してしまったりして健全な関係が築けなくなっている。少なくとも今のうちの状態はこれ。
そこの関係を見直して再構築していくためにも、自分を見直すの、必要だよなー(相手はその必要性ないと感じてるっぽいからなおさら。くそぅ。笑)と。
冷静に考えれば、親である自分が、子どもにとって何よりも大切な環境のひとつだし、何よりも自分を大切に愛せない人が、他人を大切に愛するのはもっと難しいというのは分かるので
じゃあまずは、自分を観察してみて、どんな自分でも一度まるっと受け入れてみて、その上で気づいたところから手をつけていこう。それで少しずつ、いい雰囲気の家庭を作っていこうと思えるようになりました。
次回以降、その試行錯誤の様子が続きます。
Season 2 <第1話> Aちゃんが我が家に来た日 たくさんのお別れを胸に
Season 2 <第2話> Aちゃんの素が出た日 それは想像していた姿とだいぶ違っていて
Season 2 <第3話> 素でぶつかってくるAちゃん、それを受け入れようとする私たち。でも現実は…
Season 2 <第4話> 自分も子どもも辛い日々 誰でもいいから助けて欲しい
Season 2 <第5話> 今、必要なのは自己観察だった 嫌いになりかけたモンテッソーリに戻った瞬間
Season 2 <第6話> 私が苦手なこと:他人の手を借りる
Season 2 <第7話> 私一人が頑張らない。そのための環境整備
Season 2 <第8話> 幼稚園の始まり、子どもの成長、私一人の時間!
Season 2 <第9話> 実家との交流 新しい親戚、新しい家族
Season 2 <第10話> ママ友との出会いとつながり 孤育てはあぶない
Season 2 <第11話> モンテッソーリ的観察で生活が変わってきた話 着替え編
Season 2 <第12話> モンテッソーリ的観察で生活が変わってきた 食事編
Season 2 <第13話> モンテッソーリ的観察で生活が変わってきた 歯磨き編
Season 2 <第14話> モンテッソーリ的観察で生活が変わってきた? 片づけ編
Season 2 <第15話> モンテッソーリを知っていても全然うまくいかない 声かけ編
Season 2 <第16話> モンテッソーリ知っててよかった トイレラーニング編
Season 2 <第17話> モンテッソーリ知っててよかった? 歌でコミュニケーション編
Season 2 <第18話> 雑談 Aちゃんとバギー
Season 2 <第19話> 結果、愛着形成。 絵本の読み聞かせ
Season 2 <第20話> 実親さんの存在をどう話すか
Season 2 <第21話> なぜこんなに〇〇なのか
Season 2 <第22話> 最終的に大切なのは、愛
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![]() | 国際モンテッソーリ教師、保育士/シロクマ 30歳過ぎてからモンテッソーリに出会い、その考え方に惚れこむあまり国際資格を取る。その後、モンテッソーリ教師・保育士としてこどものいえや保育園で約10年働く。途中、結婚して子どもに恵まれなかったことがきっかけで里親制度に興味を持ち、里親として子どもの養育に関わりたいと思い、今に至る。現在2歳半の里子ちゃんの長期養育を目指して交流中。子どものためのモンテッソーリ、子どものための里親制度がより多くの人に知ってもらえたらという思いで執筆中。 |
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