カテゴリ / コラム ようこそわが家へ~モンテッソーリ×里親活動の記録~ Season 2
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Season 2 <第10話> ママ友との出会いとつながり 孤育てはあぶない

写真はイメージです

 

自己観察を通してもうひとつ気づいたことがありました。それは「人とのつながりが少ない」ということです。
Aちゃんをおうちで預かった時、私にはいわゆるママ友がいませんでした。何せ赤ちゃんの頃を体験していないので地域の支援センターに行ったこともなく、まだ幼稚園も始まっておらず、ご近所さんとのつながりも大人同士のみ。しかも里親子であるということの説明も面倒で、ママ友なんていない方が楽かな?とも思っていました。
結果、平日はAちゃんと二人っきりで過ごすことが多くなり、心身やられてからはそれが本当に辛くなってしまいました。

(孤育てって言葉があるけど、今私まさにそれだ…大人の話し相手欲しい…それも子育ての苦労を分かち合える…あ、それがママ友か?)

と感じ、児童相談所や乳児院の方が心配して下さったこともあり、少しずつママ友の輪を拡げるよう努力してみました。

1. 里親さん同士のつながり

最初につながったのは、地域の里親会で知り合った、同い年の里子がいる里親さんでした。
子どもも同い年、里親と言う同じ立場もあり、最初から意気投合して割と深い話もできる中になりました。深い話と言うのは、実親さんとの面談はあるのかとか、どういう経緯で里子としておうちに来たのかとか、そのあたりです。里親子ならではの気苦労話などもできて、本当に助かっています。

2. ご近所ママ友

幸いなことに、Aちゃんがおうちに来るタイミングで近所に新築のおうちがバンバン立ち(交流の時は建築の様子を見学させてもらっていました)、そこに小さなお子さんがいるご家族が何組も引っ越してきたので、そこのご家族数組とも子どもを通して少しずつ仲良くなっていきました。約束せずともフラッとその界隈にお散歩に行ってタイミングが合えば誰かと遊べる、というとても心地よい距離感です。
ちなみに里親子であるということは、仲良くさせてもらっている親御さんにはお話しています。何せ近所にいきなり現れた子どもなので(笑)話さざるを得なかったのと、この人たちなら大丈夫かなという信頼感があったので。

3. 幼稚園ママ友

ここがいちばん付き合いが浅いです(笑)里親子であることも公表はしていません。
里親子という形の親子もあるんですよ、これも自然な親子の形の一つなんですよ、ということも広めていきたいという思いがある一方、幼稚園は人数が多いのでどんな人がいるか分からない…というのも正直なところです。こちらの熱い思いだけでAちゃんの出自に関わるプライバシーを多数の人にペラペラ話すのはどうかな?と思い、特に名乗り出ていません。
ちなみにAちゃんは自分の苗字で通っているので、私が自分の苗字を名乗らず「Aの母です」で通しています。子どもを親の苗字に合わせて通称で通わせてもよかったのですが、Aちゃんが自分の名前をフルネームで覚えていたのと、園が自然に受け入れてくれたので、そのままにしています。さて今後どうするか…

苗字の話はともかく、こうやって大人との付き合いができるようになってくると、それまで一人で抱えていたものが少しずつ溶けていき、軽くなっていくような感覚になりました。もちろん、人づき合いと言う新しい疲れも出てはきたのですが(笑)それ以上に気持ちの軽さを感じられるようになりました。
この頃には抱えていた数々の症状もだいぶよくなってきて、病院通いは心療内科のみになりました。

この頃になってようやく、(あぁ今まで私、無理してたのかも。そしてAちゃんに無理させてたのかも)と感じられるようになりました。より詳しく言えば、モンテッソーリ教師が故に、自分で自分のハードルを上げ過ぎていたのではないか、ということを感じたのです。ここがまたひとつ、私が変わる分岐点でした。

※よく誤解されるのですが里親制度は養子縁組制度とは異なり、戸籍上は実親さんと親子のままなので、里親と里子で苗字が違います。


Season 2 <第1話> Aちゃんが我が家に来た日 たくさんのお別れを胸に
Season 2 <第2話> Aちゃんの素が出た日 それは想像していた姿とだいぶ違っていて
Season 2 <第3話> 素でぶつかってくるAちゃん、それを受け入れようとする私たち。でも現実は…
Season 2 <第4話> 自分も子どもも辛い日々 誰でもいいから助けて欲しい
Season 2 <第5話> 今、必要なのは自己観察だった 嫌いになりかけたモンテッソーリに戻った瞬間
Season 2 <第6話> 私が苦手なこと:他人の手を借りる
Season 2 <第7話> 私一人が頑張らない。そのための環境整備
Season 2 <第8話> 幼稚園の始まり、子どもの成長、私一人の時間!
Season 2 <第9話> 実家との交流 新しい親戚、新しい家族
Season 2 <第10話> ママ友との出会いとつながり 孤育てはあぶない
Season 2 <第11話> モンテッソーリ的観察で生活が変わってきた話 着替え編
Season 2 <第12話> モンテッソーリ的観察で生活が変わってきた 食事編
Season 2 <第13話> モンテッソーリ的観察で生活が変わってきた 歯磨き編
Season 2 <第14話> モンテッソーリ的観察で生活が変わってきた? 片づけ編
Season 2 <第15話> モンテッソーリを知っていても全然うまくいかない 声かけ編
Season 2 <第16話> モンテッソーリ知っててよかった トイレラーニング編
Season 2 <第17話> モンテッソーリ知っててよかった? 歌でコミュニケーション編
Season 2 <第18話> 雑談 Aちゃんとバギー
Season 2 <第19話> 結果、愛着形成。 絵本の読み聞かせ
Season 2 <第20話> 実親さんの存在をどう話すか
Season 2 <第21話> なぜこんなに〇〇なのか
Season 2 <第22話> 最終的に大切なのは、愛


> Season 1のコラムはこちらからご覧ください。


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国際モンテッソーリ教師、保育士/シロクマ   
30歳過ぎてからモンテッソーリに出会い、その考え方に惚れこむあまり国際資格を取る。その後、モンテッソーリ教師・保育士としてこどものいえや保育園で約10年働く。途中、結婚して子どもに恵まれなかったことがきっかけで里親制度に興味を持ち、里親として子どもの養育に関わりたいと思い、今に至る。現在2歳半の里子ちゃんの長期養育を目指して交流中。子どものためのモンテッソーリ、子どものための里親制度がより多くの人に知ってもらえたらという思いで執筆中。
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