カテゴリ / コラム ようこそわが家へ~モンテッソーリ×里親活動の記録~
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<第1話> 里親になろう、そう思ってから実際に動き始めるまで

はじめまして。元モンテッソーリ教師・保育士、
ただいま里親活動中のシロクマと申します。

ご縁を頂き、こちらに寄稿する運びとなりました。
里親活動を通して、モンテッソーリの重要性を再認識する日々です。
そんな日々をつづりながら、モンテッソーリの魅力も伝えていけたら幸いです。

どうぞよろしくお願いします。

写真はイメージです。


さてさっそく本題です。
私たち夫婦が里親になろうと思ったのは、
言葉を選ばずに言えば実子にご縁がなかったから。
結婚して1年たっても2年たっても、子どもが授かる気配はありませんでした。
夫婦関係はよく生活は安泰でしたが、さすがにその時期は少し落ち込んでいました。

そんな中でSNSを通して一冊の本に出会います。
タイトルはズバリ、「産まなくても育てられます」。(直球!)
特別養子縁組の制度について分かりやすく書かれた本でした。

その本を読む中で、そういえば親戚に、
里親から特別養子縁組を通して親子になった家庭があったなと思い出しました。
その家族が、それまで忘れているくらいとても自然な姿だったので
血がつながってなくても家族になることはできるんじゃないかな?
という思いになり、自治体の里親登録について調べ始めました。

 

夫には、こんなまぁまぁヘビーな話をいきなり切り出すのも勇気が言ったので、
先ほどの本をトイレに置いておき、
目に入るようにしてこちらの気持ちを伝えてみました。
そうしたら夫の方から
「あなたはこういうのがやりたいんだよね。僕もいいよ」
と言ってくれました。
巻き込み作戦成功(笑)

とは言え、とは言えです。
里子ちゃんになる子どもにとっても、私たち夫婦にとっても、
お互いの人生が大きく変わる責任重大な話なので、
即決! というわけにいきませんでした。

できるのかな~ こんな軽い気持ちならやめとこうかな~
今の大人だけの生活も楽だよな~ お金も時間も自由だしな~
仕事(保育園)で子どもと関われるからそれで充分かな~
と迷いに迷って流されていた時期が半年から1年ほど続きました。

 

そんな時に、とある虐待死事件がありました。

5歳の女の子が「もうおねがい ゆるしてください」などと書き残した
何ともやるせないセンセーショナルな事件は、覚えている方も多いのではと思います。

生まれてきて5年で、やっとかけるようになったひらがなで、こんな悲しいことを書かなきゃいけない、そして大人からの理不尽な行動によって命を落としてしまった子どもが実際にいる。
この事件は氷山の一角で、こういう子どもたちが、ニュースにならずに見えていないだけで、本当はかなりの数いる。
様々な理由で、家庭で育つことができない、育つ間に理不尽な傷を受けている子どもたちが少なからず存在する。

ということを目の当たりにして、
迷って流されている場合じゃない、やらなきゃ、やらせてもらわなきゃ、
だってありがたいことにできる環境なんだもん、夫も賛同してくれているし、

とそこから一気に動きました。夫婦で地元の児童相談所を尋ね、こちらの思いをお伝えし、登録までの経緯を伺い、研修の日程を聞き、…と里親登録に向けてようやく重い腰が上がりました。

 

そこから里親登録までの道のりが思ったよりも長く、
登録された後もさらに長く、
これだったらもっと早くから動いていればよかったよ…こっちは歳取る一方だよ…
これから子育て…体力…(白目)

なんてことも思いましたが、それでも今、タイミングよく養育委託のお話があり、
ご縁を頂けていることに感謝しています。

そしていざ里親登録に向けて活動が始まると、
あぁここにもモンテッソーリ…知っててよかった…ありがたい…と感じることがしょっちゅうでした。それは今も継続中です。
そして逆に、モンテッソーリの知識があるがゆえに、現実とのギャップに頭を悩ませることもたくさんあります。
そのあたりを含め、この先も綴っていきたいと思います。


<第1話> 里親になろう、そう思ってから実際に動き始めるまで
<第2話> いざ、里親研修へ 心に残る愛着障害の話
<第3話>ドキドキの児童養護施設実習 の中で思い出される発達の4段階
<第4話>このモヤモヤは何?…里親家族のロールモデルを求めて
<第5話> 里親登録後の実習の方が長いゾ! 乳児院の子どもたちとの出会い
<第6話> 乳児院の子どもたちを通して見えてきた実親さんの背景と、里親側の気持ちの変化
<第7話> いざ養育委託の話が来たら、ただただ嬉しいだけだったという話
<第8話> はじめまして、里子ちゃん 戸惑いと反発と喜びとが交錯する初対面
<第9話> 里子ちゃんの気持ちをぜんぶ言葉にすることで進んだ交流
<第10話> 私の持ち物を通して交流が進んだ話
<第11話> 初めてのおうち体験 魅力的なのはおもちゃじゃなかった 日常生活との出会い 
<第12話> 一般家庭は危険がいっぱい 安全確保とモンテッソーリの考え方とのせめぎ合い 
<第13話> おうちは楽しい だけじゃない。不安と緊張で戸惑うことも 
<第14話> まだおうちに来てもいないのに幼稚園選び? 慌ただしくもなんだか楽しい
<第16話> 甘え全開で嬉しいけど身体が(涙) でもとても大事な「甘え」の意味
<第17話> 今は何が最優先? 難しすぎる育児と家事のバランスゲーム
<第18話> 2回目のお泊まり お迎え時に聞いた初めての言葉
<第19話> 泣く理由が180°変わった3回目のお泊まり 愛着関係の移り変わり
<第20話> お客さんへの反応で垣間見えた、Aちゃんにとってのおうちの意味
<第21話> 交流最後の振り返り Aちゃんをおうちに迎え入れるためのミーティング(第1シーズン最終回)

国際モンテッソーリ教師、保育士/シロクマ   
30歳過ぎてからモンテッソーリに出会い、その考え方に惚れこむあまり国際資格を取る。その後、モンテッソーリ教師・保育士としてこどものいえや保育園で約10年働く。途中、結婚して子どもに恵まれなかったことがきっかけで里親制度に興味を持ち、里親として子どもの養育に関わりたいと思い、今に至る。現在2歳半の里子ちゃんの長期養育を目指して交流中。子どものためのモンテッソーリ、子どものための里親制度がより多くの人に知ってもらえたらという思いで執筆中。
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