カテゴリ / コラム ようこそわが家へ~モンテッソーリ×里親活動の記録~
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<第4話> このモヤモヤは何?…里親家族のロールモデルを求めて

既定の研修・実習を終え、私たちは里親登録されました。
めでたい。

…はずなのになんでこんなに気分が晴れないんだろう…自分が望んでしたことなのに。

このままの気持ちで、登録後実習を迎えるのは何かイヤだ

そう思った私は、友人にお願いして
実際に里親から特別養子縁組をしているご家族を紹介してもらい、
その方のおうちに伺いました。

お会いしていざお話をしようと口を開いたらいきなり泣けてきてしまって
夫もそのご夫妻も友人夫妻も驚いていましたが
何より私がビックリしました。

泣けてくるほどモヤモヤしていたのか、とそこで気づかされました。

泣きながら話しているうちに

自分は小さい子どもたちが専門の仕事(保育士・モンテッソーリ教師)だし
愛着障害のことも考えると、
まだ大きな別れを経験していない3歳未満のお子さんの受け入れを希望している
というのが正直なところ。
でも現実には、希望は出せるけど里子ちゃんをこちらから選ぶことはできない。
実際にニーズが多いのは小学生以上の子どもたちだという話も聞いていて、
自分の希望を抑えてそのニーズに応えなきゃいけないのかと思ったら
不安で不安でしょうがなくなった。

ということが自分の中でも整理されていきました。

そのご夫妻は
「自分たちの希望ははっきり伝えた方がいい 
 その方がお互いのため
里子ちゃんだけでなく、里親の今後の人生にも大きく関わってくることだから
 変に我慢しない方がいい」
とはっきりと仰ってくださいました。

子どものために大人が我慢する
というフレーズは実親子でもよく出てくると思うのですが
そして実際、子どもが小さいほど大人が合わせないとやっていけない場面も多く出てくると思うのですが
過ぎる我慢は長続きしないし、結果的に爆発することもあります。

ましてや里親子の関係で最初から我慢していたら、それこそうまくいくものもいかない
里親の立場である自分たち大人の気持ちにも正直になって、認めて受け入れた方が
遠回りでも結果的にいい関係が築ける

ということがストンと腹におちたら
不安がなくなり、
ちゃんと自分たちの言葉で、自分たちの希望や気持ちは伝えよう
と思えるようになりました。

言葉で伝え合うって大事。(画像はイメージです)


漠然とした不安やモヤモヤを言語化するって

子どもだけじゃなくて、大人にも大切なんだなぁ
整理するとか、分析するとか、提案するとか、言葉の力ってすごいなぁ
と感じさせられた出来事でした。

何よりも、実際に訪問させて頂いて
自然な家族の雰囲気を感じられたことで
あぁやっぱりいいな、と思えるようになったので
このご家族には今でも心から感謝しています。

今交流中の里子ちゃんが正式におうちに来て
コロナが落ち着いたら、一緒に会いに行こうと思っています。(続く)


<第1話> 里親になろう、そう思ってから実際に動き始めるまで
<第2話> いざ、里親研修へ 心に残る愛着障害の話
<第3話> ドキドキの児童養護施設実習 の中で思い出される発達の4段階
<第4話> このモヤモヤは何?…里親家族のロールモデルを求めて
<第5話> 里親登録後の実習の方が長いゾ! 乳児院の子どもたちとの出会い
<第6話> 乳児院の子どもたちを通して見えてきた実親さんの背景と、里親側の気持ちの変化
<第7話> いざ養育委託の話が来たら、ただただ嬉しいだけだったという話
<第8話> はじめまして、里子ちゃん 戸惑いと反発と喜びとが交錯する初対面
<第9話> 里子ちゃんの気持ちをぜんぶ言葉にすることで進んだ交流
<第10話> 私の持ち物を通して交流が進んだ話 
<第11話> 初めてのおうち体験 魅力的なのはおもちゃじゃなかった 日常生活との出会い 
<第12話> 一般家庭は危険がいっぱい 安全確保とモンテッソーリの考え方とのせめぎ合い 
<第13話> おうちは楽しい だけじゃない。不安と緊張で戸惑うことも 
<第14話> まだおうちに来てもいないのに幼稚園選び? 慌ただしくもなんだか楽しい
<第15話> 初めてのお泊まりで、初めて大泣きした夜のこと
<第16話> 甘え全開で嬉しいけど身体が(涙) でもとても大事な「甘え」の意味
<第17話> 今は何が最優先? 難しすぎる育児と家事のバランスゲーム
<第18話> 2回目のお泊まり お迎え時に聞いた初めての言葉
<第19話> 泣く理由が180°変わった3回目のお泊まり 愛着関係の移り変わり
<第20話> お客さんへの反応で垣間見えた、Aちゃんにとってのおうちの意味
<第21話> 交流最後の振り返り Aちゃんをおうちに迎え入れるためのミーティング(第1シーズン最終回)

国際モンテッソーリ教師、保育士/シロクマ   
30歳過ぎてからモンテッソーリに出会い、その考え方に惚れこむあまり国際資格を取る。その後、モンテッソーリ教師・保育士としてこどものいえや保育園で約10年働く。途中、結婚して子どもに恵まれなかったことがきっかけで里親制度に興味を持ち、里親として子どもの養育に関わりたいと思い、今に至る。現在2歳半の里子ちゃんの長期養育を目指して交流中。子どものためのモンテッソーリ、子どものための里親制度がより多くの人に知ってもらえたらという思いで執筆中。
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