モンテッソーリ教育について、広く知っていただくための情報発信サイト

季節もよくなってきたし、そろそろオムツはずしに挑戦しようかなぁ～と思っているママも多いのではないでしょうか。

モンテッソーリ教育ではトイレットトレーニングとは言わず、『トイレットラーニング』と表現しています。つまり、トイレでの排せつは訓練するのではなく、学ぶという考え方です。言い換えると、子どもが本来持っている能力を開花させるという意味です。

最近では子どもたちのオムツが外れるのが遅くなってきたと言われています。核家族化も進み、子どもたちがトイレを学ぶための手助けをしてくれる大人が少ないという事情、現代の生活スピードが加速し、十分な時間がとれないという背景もあるかもしれません。そして一番大きい要因としては紙おむつの普及と性能の進化でしょう。
排せつをしても、濡れたり汚れたりした感じがしない。気持ち悪いと感じない。という状況は実は子どもにとっては不自然な感覚で、混乱を感じているのです。

『排せつ物の上に平気で座っているのは人間だけ』
これを聞いた時に、なるほど！と納得…（笑）他の動物は排せつ物のにおいで敵に見つかってしまうので決してこのようなことはしないそうです。人間にとっても自然な姿とは思えないですよね。

膀胱の容量も増えおしっこしたいと感じるようになり、それを反射的に出さずにコントロールできるようになるのがおおむね２歳頃。心も体も自立排せつの準備ができたこの頃から、ぜひ『トイレットラーニング』を始めてみましょう！

【モンテッソーリ流トイレットラーニングの３つのポイント】

１．着脱の自立

まずはパンツとズボンを自分で脱いだり着たりできるようになりましょう。１回分のおしっこを吸収できるようなトレーニングパンツも便利ですが、布地が厚く股周りも窮屈だったりするとなかなか一人で脱ぎ着するのが難しいようです。スボンもデニム素材ではなく、なるべく柔らかい綿素材で緩やかなものを。ホックやチャックもない方がいいですね。着脱の自立が確立するまでは、オシャレよりも自分で脱ぎ着できるもの、という視点で洋服を選んでみましょう。特に自分で何でもやりたい意欲がある時期に、一人でできるよう工夫してあげることが自立への近道です。

このタイプのパンツが一番はきやすいです。外出時など不安な時は、パンツの上に紙オムツをはくと安心ですし、本人も濡れた感じが分かって教えてくれます。

はきやすいズボン。前が分かるように印をつけて工夫をしましょう！

２．環境を整える

一人でトイレに行ける環境を作りましょう。おまるを用意したり、大人用のトイレならステップや補助便座などをつけて一人で座れる工夫をします。

ホーローおまる　コンパクトで取っ手がついているので持ち運びも便利。ホーロー製なのでにおいもつきにくく扱いやすいおまるです。

また、着替えは決まった場所に置いて、汚れた時には自分で着替えることができるようにします。小さなベンチや、汚れたものを入れる容器もあるとよいですね。

３．タイミングよくトイレに誘う

朝起きた時、ごはんを食べた後、お昼寝から起きた時などなど、お子さんがいつも排せつしているタイミングでトイレに誘いましょう。ポイントは「トイレ行く？」と聞いても「いかない」と答えることが多いので（笑）、「トイレの時間だよ。」と当たり前のこととして誘うようにしましょう。タイミングが合えば毎回トイレで排せつできるようになってきます。もう一つ大切なことは、もし失敗してしまったとしても悪いことでもなく自然なことなので、「でちゃったね。」とアクシデントのような言い方をするのは避けましょう。失敗したとしても、自分でどうすればいいか分かっていて、自分で着替えられることの方がずっと大切だからです。

子どもの家に通っているお子さんも、それまでオムツをしていてもトイレットラーニングを始めてすぐにオムツが取れる子もいれば、取れたりまた戻ったりを繰り返したりと様々です。ただスムーズに自立に向かうためには『一度始めたらなるべく後戻りはしないこと』が大切なように思います。今日はパンツ、今日は外出だからオムツと一貫性がないとやはり子どもは混乱してしまいます。トイレットラーニングを始めると決めたら、少なくとも数週間は失敗したら困るような場所へのお出かけや旅行などは控えて、ゆったりとしたいつもの日常の中で排せつのリズムをつかんで成功の体験を増やせると良いですね！